SUVの王様「メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC」の世界に清水和夫がキュン♪並みいる超高級SUVでこのコがベストなわけは?

■Top of theショーファードリブンSUVに名乗りをあげたメルセデス マイバッハGLS600 4MATIC!

●「Maybach」は「My Bach」にあらず!

ウルス(ランボルギーニ)、カリナン(ロールスロイス)、ベンテイガ(ベントレー)…超高級車メーカーからハイパワーSUVが続々登場し、その世界を賑わしている昨今。そんな中、「このコが高級SUVの世界の王様!」と断言する、国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。

清水和夫✕メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC
流石のマイバッハバージョン、メルセデス マイバッハGLS600 4MATICの顔圧がスゴイ!

そのコとは、メルセデス・ベンツよりリリースされている「メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC」です。

清水和夫✕メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC
インプレッションは、国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。単なるショーファードリブンではなく、運転しても楽しそうですね

マイバッハといえば、王様の中の王様、メルセデス・ベンツの最高位に位置し、ショーファードリブンの代名詞と言われている超高級車ブランド。そのマイバッハの名を冠するこのでっかいSUVに乗り、高級SUVの世界をしみじみ語る清水さんのYouTubeを、まずはチェック!

●世界の中の一番のVIPは日本の天皇家!

1997年の東京モーターショーで、メルセデス・ベンツの中のブランドとして「メルセデス・ベンツ・マイバッハ」Sクラスのコンセプトカーがワールドプレミアされました。しかし、メルセデス・ベンツの地元・フランクフルトショーではなく、なぜ日本の東京モーターショーだったのでしょうか?

メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC
メルセデス マイバッハGLS600 4MATICのこの迫力…遭遇したらビビリそうです

「メルセデスがメルセデスを超える高級車を作ろうとしたときに、『マイバッハ』というブランドを出しました。そんな中、世界で一番高級な人たちは誰か?と研究したら、日本の天皇家だということが分かったんです。メルセデスは天皇家の御料車の色サンプルを持っていたので、その御料車の色をクルマに塗装し東京モーターショーでデビューさせたということを、当時の担当者から聞いてヘェ~と思いましたね」(清水)。

メルセデス マイバッハGLS600 4MATICのコクピット
メルセデス マイバッハGLS600 4MATICのコクピット

メルセデス・ベンツにはAMG仕様のハイパワーバージョンがあり、SUVではGクラスはじめ、各クラスにAMG仕様があります。その中でマイバッハバージョンはどのような位置なのでしょうか。

メルセデス マイバッハGLS600 4MATICのリヤシート
メルセデス マイバッハGLS600 4MATICの後席には、ワインクーラーなどもオプションできます

「マイバッハは元々、独立したブランドとして登場したんですけど、その後Sクラスのプラットフォームを使ってマイバッハが作られたので、ボンネットの先端にはスリーポインテッドスターが付きます。で、リヤにマイバッハのエンブレムがあるので、丁度メルセデス・ベンツにAMGモデルがあるように、メルセデス・ベンツのマイバッハモデルがあるという風に、今ブランドが分かれたのかなと思います。センターにメルセデス・ベンツがあり、両横にAMGとマイバッハ、そんなイメージだと思います」(清水)。

●さすがの乗り心地、作り込みの高級感、でも23インチは重い!

では肝心のインプレッションを聞いてみましょう。

メルセデス マイバッハGLS600 4MATICのエンジン
V8 DOHCツインターボを積むメルセデス マイバッハGLS600 4MATIC

「V8 4Lツインターボに、9速トルコンATにISG(Integrated Starter Generator/インテグレイテッド・スターター・ジェネレーター)、15kWくらいのモーターが入っているので、アイドルストップをしても自然にエンジンが復帰したり、コースティングしたりします。

マイバッハのイメージからするとステアリングもちょっと軽め。バネ上の乗り心地もしなやかでスムーズですね。

メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC
タイヤは23インチ! 全体から見るとそんなに大きさを感じませんが、清水さんの足と比べると、やはりデカいことがよく分かります

ただ、低速で路面が荒れたところに行くと、23インチのドでかいタイヤ&ホイールなので、どうしてもバネ下重量が重くてブルブルッという感じがありますが、そこは多分、マイバッハセダンのほうがいいのかな?と思います。SUVでガワが大きくなると、デザイナーはデカいタイヤを履きたがりますからね。ただ、タイヤがデカいと重量が重くなるのでバネ下の『ボヨンチョ』がなかなか止まらないと思います」(清水)。

メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC
安全運転支援レベル2。車線逸脱ではチコちゃんに叱られるようにステアリングが戻されます

「安全運転系では高度運転支援レベル2、左手の親指でセット+を押せば、アダクティブクルーズコントロールがセットされます。同時にレーンキープのLKASもついていますので、端っこに寄り過ぎると『チコちゃんに叱られる』感じでプッと戻されます」(清水)。

チ、チコちゃんですか(笑)!

「今は完璧なエンジン車で、わずか15kWのISGが付いていますけど、私はこれからのクルマは電気かエンジンかとか、水素か電気かではなく、『半チャーハン半ラーメン』みたいなイメージで、プラグインが丁度イイのではないかと思いますね」(清水)。

最近、例えがオヤジ化していますが、分かりやすいような分からないような…!

「このマイバッハはまぎれもなくドイツ車なので、速度無制限のアウトバーンを200km/hくらいでカッ飛んでいける高速性能は持っていると思います」(清水)。

日本では富士スピードウェイやJARIの高速試験路で走らせないと確かめられないのが残念です…。

●今、高級SUVが日本でバカ売れ中!

ベントレーのベンテイガ(約3000万円)、ランボルギーニのウルス(約2700万円)などの超高級ブランドが出す高級SUVが売れに売れているそうです。

清水和夫
清水和夫✕メルセデス マイバッハGLS600 4MATICの迫力が!!

「なんかね、こういう世界ってあるんだな…とあらためて思いましたね。

最近、ベントレーのSUV、ベンテイガがバカ売れらしいんです。特に日本では購買層が40歳代と若い。ま、中身はアウディのQ8だろ!といえばそうなんですけど。ベントレーのデザイン力とブランド力で、いつかはベントレーが欲しいと思う人は、クーペやセダンよりもSUVだと飛びつきます。

同じような現象がランボルギーニにもいわれています。あのヤンチャな猛牛のブランドがSUVを作ると聞いたときにエッ?と思たんですけど、そのウルスがバカ売れ! で、ランボルギーニ社が立て直ったというくらいなんですね。

そう考えていくと、例えばロールスロイスのSUVカリナン、コレが一番値段的には高い(約4000万円)と思うんですけど、これもそこそこ人気があるし、アストンマーチンもSUVのDBX(約2300万円)を作りました。つまり、今SUVに手を出していないのはフェラーリくらい。でもまぁ、フェラーリにも四駆でちょっと背の高いGTC4ルッソがあるから、クロスオーバーくらいはフェラーリも作れるんでしょうけど。

メルセデス マイバッハGLS600 4MATICのリヤビュー
メルセデス マイバッハGLS600 4MATICのリヤビュー。後ろから見ても大迫力です

クルマって、乗用車があって商業車があって軍用車があって。この商業車、軍用車の世界がSUVの生まれ故郷なのかと思います。でももう、その辺の垣根がなくなって、そこにブランドとパワートレーンの強烈なパワーが折り重なると、物凄い『SUVの王様の世界』が広がったんですね。そういう意味で、この『メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC』(今回試乗した仕様で約3000万円)をとらえると、このコがSUVの王様かなという気がしますね」(清水)。

贅を尽くした高級SUV「メルセデス マイバッハGLS600 4MATIC」の世界をのぞき見してみましょう!

(試乗インプレッション:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

メルセデス マイバッハGLS600 4MATICの主なスペック
メルセデス マイバッハGLS600 4MATICの主なスペック

●SPECIFICATIONS
車名:Mercedes Maybach GLS600 4MATIC
全長×全幅×全高:5205×2030×1838mm
ホイールベース:3135mm
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボチャージャー
最高出力:410kW(558ps)/6000〜6500rpm
最大トルク:730Nm(74.4kgm)/2500〜4500rpm
トランスミッション:電子制御9速AT(9Gトロニック)
乗員:4名
車両本体価格:27,290,000円

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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

メルセデス・ベンツ
https://www.mercedes-benz.co.jp/

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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