MIRAIのライバル「ヒョンデ・ネッソ(NEXO)」登場に清水和夫が歓喜。同じ水素燃料電池車なら「コッチのほうがかっこいい」

■水素燃費がいいだけに、商売になりずらい燃料電池車の今後

●セダンのMIRAIよりSUVのネッソが人気になる?

HYUNDAI NEXO
HYUNDAI NEXOを清水和夫が試乗

2001年から2010年まで日本市場へ参入していた韓国大手の自動車メーカー、ヒョンデ(旧名称:ヒュンダイ)が、2022年からEV、FCVのみをひっさげ日本に再参入しました。

2022年2月に発売されたBEVの「アイオニック5」に続き、いよいよ登場した水素で発電する燃料電池車=FCV(Fuel Cell Vehicle)「ネッソ(NEXO)」に、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが試乗しました。

HYUNDAI NEXO
待ちに待ったHYUNDAI NEXO試乗という清水和夫さん

常にFCVの可能性に大注目している清水さん。「待ってました!」と、その性能に期待大。

トヨタ・MIRAIに続き登場したこのネッソ(ホンダのクラリティはリースのみ)は、FCVの世界に旋風を巻き起こすのか? 水素燃料電池車の今後を考えてみました。では早速、動画をチェック!

●カーボンニュートラル時代を見据え、12年ぶりに日本市場に登場したヒョンデ

HYUNDAI NEXO
HYUNDAI NEXOのリヤビュー

さぁ、待ってました!っていう感じのクルマが日本に登場しました。

ヒョンデとして日本市場はなんと12年ぶり。この12年間の間に世界がガラッと変わって、カーボンニュートラル、ゼロエミッションの世界にCASEという名前の下において、ヒョンデも力強く踏み込んだわけです。

HYUNDAI NEXO
HYUNDAI NEXOのサイドビュー

このネッソはすでにアメリカで市販されています。実はカリフォルニア州で一番売れているのは、日本の燃料電池車よりもこのヒョンデのFCVだ!という話もありますから、実力は十分に実証済みなんですね。

ネッソは水素タンクが後席のちょうどお尻の下くらいに横方向に3本搭載されています。モードで計算すると約800kmくらいの航続距離ですね。

●ヒョンデはなぜ日本でFCV&BEV車?

なんで日本なのかというと、日本はこの極東アジア地域で言えばカーボンニュートラルの先進国。中国、ヨーロッパ、アメリカに次いで日本は充電や水素のインフラが整っている国…まだまだ足りないですけどね。

特に今、水素スタンドがあるのは、カリフォルニア州と日本の東京、名古屋、大阪、福岡エリアです。ということで、意欲的に、戦略的にヒョンデがゼロエミッションのクルマ2台を持ち込んだというのは、なかなか良いアイデアだと思いますね。

日本ではすでにテスラが成功していますから、そういうマーケティング的に、日本のお客さんの環境に対するそのセンシティブな感覚というのは良く調査しているなと思います。

●日本車よりもデザインが秀悦

このクルマ、デザインが良いですね。インテリアもエクステリアも悪くない。

HYUNDAI NEXO
HYUNDAI NEXO、ココのスイッチ類はちょっといただけないな

韓国の自動車メーカーはヨーロッパ系のデザイナーをよく使っているので、非常にヨーロッパナイズされたデザインのクルマというのはありますね。

アメリカでもヒョンデを見ると、本当にちょっと一瞬カッコいいな!という感じがありますから、日本以上にグローバル化しているというか。韓国オリジナルデザインなんていうのにあまりこだわらないで、その市場市場で、特にアメリカ、ヨーロッパ市場でお客さんが好むようなデザインを作っています。

日本はなんだかんだ言って軽自動車を含めて国内で500万台くらいの市場があるので、日本人の感覚に合ったデザインが多くなるんですけども、韓国の場合は国内の市場というよりも、海外にそういった市場を求めているという意味では、立派なグローバル商品だなって思います。

●乗用車では水素1満タンで「5kgしか売れない」ので商売にならない?

HYUNDAI NEXO
水素ステーションで充填

もうひとつ。この水素を考えるとき、乗用車ベースではたかだか…と言ってはいけないんですけど、1回の搭載が満タンで重量5kgくらいです。1回の水素満タンで500~600km走って消費しても、水素重量を5kg消費したに過ぎないんですね。

HYUNDAI NEXO
水素ステーションで充填

それだと、なかなか水素ビジネスの経済性が厳しいので、実は水素を大量に使うのは大型車両ですから、大型トラックの燃料電池というのも大きく期待されていますね。バスとかロジスティックの大型のトラック。これが燃料電池になると消費量が増えますから、水素のサプライヤーも相当、経済性は乗りやすくなりますね。

●セダンのMIRAIかSUVのヒョンデ・ネッソか?

HYUNDAI NEXO
FCVの先輩、トヨタ・MIRAIと2ショット

続けて清水さんは、同じFCVのライバル、セダンのトヨタ・MIRAIと、SUVのヒョンデ・ネッソ、どっちが好まれるか? ネッソのインプレッションなどへと続きます。ソチラは動画で清水さんの言葉に耳をかたむけてみてください!

(試乗・解説:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

HYUNDAI NEXO
HYUNDAI NEXOの主なスペック

【SPECIFICATIONS】
■HYUNDAI NEXO
全長×全幅×全高:4670×1860×1640mm
ホイールベース:2790mm
トレッド フロント/リヤ:1614/1625mm
車両重量:1870kg
最低地上高:162mm
最小回転半径:5.68m
乗車定員:5名
・FCスタック
種類:固体高分子型燃料電池
個数:432
接続方式:直列
最高出力:95kW(129ps)
・燃料およびタンク
種類:圧縮水素
タンク本数:3本
タンク内容積:156.6ℓ (52.2 X 3個)
公称使用圧力:70MPa
・モーター
種類:永久磁石型同期モーター
最高出力:120kW(163ps)
最大トルク:395Nm(40.3kgm)
100%充填基準走行可能距離:820km
・駆動用バッテリー
種類:リチウムイオンポリマーバッテリー(LIPB)
バッテリー容量:6.5Ah(240V)
最高出力:40kW
駆動方式:前輪駆動
サスペンション フロント/リヤ:マクファーソンストラット/マルチリンク式
ブレーキ フロント/リヤ:ベンチレーテッドディスク/ソリッドディスク
タイヤ フロント/リア共:245/45R19
最高速度:179km/h
車両本体価格:776万8300円

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

【関連記事】

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
続きを見る
閉じる