清水和夫がBMW「i4」に試乗。「ドシャ降りでも大丈夫」なADASの進化を実感

■セダンでもBEVを出してきたってところがBMWらしいね

●BMW i4のベースは、4シリーズ・グランクーペ

「電気自動車ってのは充電時間がメンドクセ~んだよ!」と、BEVに乗るといつもブツブツ言っている国際モータージャーナリストの清水和夫さん。なんせ、清水さんは「宇宙一のせっかちさん」なので…(笑)。

清水和夫×BMW i4
清水和夫×BMW i4

しかし、ここ最近は、その充電時間はさておき、BEVならではの乗り味や楽しさに触れる機会が多くなってきたことで「昔は血管にガソリンが流れていたけど、今では電気も流れてる」なんてことも言っています。

清水和夫×BMW i4
清水和夫さんがBMW i4を実走チェック

そして、今回清水さんのYouTubeチャンネル「StartYourEnginesX」からご紹介するのは、4シリーズをベースとしたBMW初の完全電動グランクーペ、「i4」です。重心点の低いこのi4の乗り味は? そして進化したADASの各機能を、テストには最適な雨天の中で行ってきました。

ではさっそく、清水親分流BMW i4チェックを見ていきましょう!(クリッカー:永光 やすの)


●アクセル踏むとビュッ、ブレーキちょっと踏むとキュッ

清水和夫×BMW i4
バッテリーは床下へ

BMWのi4、バッテリーEVなので床下にバッテリーが入っています。SUVじゃなくセダンで出してくるあたりは、やっぱりBMWらしいなって感じがします。

多分、重心点が20mmくらい下がっているのかな。車高じゃなくて重心点だからね、これは効きますよね。

清水和夫×BMW i4
充電時間、これがBEV一番のネックなんだよな

BEVはやっぱり航続距離が気になる…。i4は一充電あたり、最大604 kmの航続が可能(使用環境、運転方法にもよる)。今は『バッテリー67%残っていて、あと250kmくらい走れる』と出ています。

清水和夫×BMW i4
清水和夫×BMW i4

なんかこのクルマ、敏感すぎて困っちゃうね。アクセル踏むとビュッといくし、ブレーキちょっと踏むとキュッと効くしね。まぁ…でもなぁ、ちょっとナマしてチューニングできないのかな?と思うんだけど。やっぱりこういうキャラクターを意図的に作っているのかな。エンジン車とは違うぞ!ということを、あたかも主張しているような感じがしますね。

●i4に搭載の各種ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転支援システム)を試す

高速道路です。規制速度は80km/hだから、ACC(アダプティブ クルーズ コントロール)も設定速度80km/hです。

清水和夫×BMW i4
BMW i4のコクピット。オシャレです

インパネはかなり綺麗というか、分かりやすいねぇ。

清水和夫×BMW i4
前後左右、周りの状況をよく分かってくれています

で、右後ろからクルマが来るとここ(ディスプレイ上)にちゃんと映るんですよね。まるでなんかパノラマ的にLiDAR(ライダー)とかミリ波レーダーで全部見ているような気がします。後ろは何で見ているのかな? 24ギガとかそんな感じかも分かりません。

今、クルーズコントロールで走っています。お~。ちょっと車線からはみ出そうとすると、電動パワステで戻して、車線の真ん中を走らせようとしていますね。

清水和夫×BMW i4
BMW THE i3

BMWはバッテリーEVに関してはずいぶん早くて、カーボンボディ使ったサスティナビリティというテーマで、(日本では)2014年に「i3」を出しています。ただ、カーボンボディなので、事業としては儲からないので止めてしまいますけど。まぁ一旦、エンジン車のプラットフォームの改造版でやりますけど。

清水和夫×BMW i4
BMW iX
清水和夫×BMW i4
BMW i7

今度は「i7」という7シリーズのBEVが出ます。それに関して言えば、完全にロールス・ロイスに提供するBEVプラットフォームなので、まったく新しいボディの考え方があると思います。バッテリーは床下で、前後の四隅にタイヤを配置していくというのは、BMWらしい考え方でしょうね。

しっかし、本当に静かだなぁ。

清水和夫×BMW i4
タイヤは韓国のクムホ製。塊感がある感じ

こんだけ静かだと、やっぱりタイヤのロードノイズも気になるんだけど、意外と上手く抑えられています。なんと、クムホのタイヤですね、韓国の。

最近は韓国タイヤもスーパー耐久(ハンコック製ワンメイク)やったり、他でも多くのモータースポーツをやったりして、こういうBMWのスポーティなモデルにもクムホのタイヤが入るようになりましたね。塊感のある乗り味です。ソリッドな感じ。ちょっと荒れた路面では固さが目立つところはありますけども、ただこの辺はBMWのキャラクターだと思いますね。

●LKASもキッチリ白線を見ている

清水和夫×BMW i4
シフトレバーにはBEVを強調するブルーをあしらっている

ハンドルが太ッとい! 太くて、LKAS(車線維持支援システム/レーンキープアシスト)もかなり白線をキチっと見ていますから、はみ出そうとするとウ~っと戻されますね。

戻しは強いです。BMWは電動パワステでシステムが(ステアリングを)切ったときは、もう明確に人間とは違うんだ!ということを手のひらに、ドライバーに分からせるために強くしています。

清水和夫×BMW i4
BMW i4のリヤビュー

これはBMW流の考え方。で、逆にメルセデス・ベンツは、運転支援はあくまでもドライバーサポートなので、あんまり目立たないように『影武者的』に制御が入ります。そこは、ドイツの2メーカーの考え方が明確に違います。

ちょっと白線が薄くなってるんだけど、どんな感じかな? お! 見てるわ。この薄い白線もしっかり見てるよ! 左側の薄い白線も破線も見ていますね。この辺は相当進化しているな。やっぱり、(劣化などで)薄くなった白線のところのテストが大事なんだよね。

●ハンズオフもOKな高度運転支援レベル2だけど、前はよく見ろ

さて、気になるのはバッテリーなんだよな~。BEVに乗るといつもバッテリー残量が気になります。自分のスマホがお出かけしたときに充電が残っているかな?っていうのをいつも気になるのと同じです。

清水和夫×BMW i4
清水和夫×BMW i4

もうなんか、電気をいつも気にしながら生活するのっていうのは、ちょっとイヤな感じがしますけど。やっぱり人間はエネルギーが無いと生きていけない、社会も回っていかない。そんな気がします。

ちょ~っと視界が悪くなってきました。ACCとLKASがあると、本当に高速移動が楽。自動運転の一歩手前ですけどね。i4は高度運転支援レベル2、これはやっぱり重要な技術ですね。

清水和夫×BMW i4
試乗中の突然のドシャ降りでも、LKASはしっかり白線を見ています

ただね、大事なのは、ドライバーは前を見ていないといけないこと。手を放してもいけるので(ハンズオフ)、ちょっと過信してしまうことがあると思います。レベル2では、仮にハンズオフしても前をしっかり見て運転しなければいけないですよ!

お~大雨だ! このくらいの雨でも白線見ているのかなぁ…? あ! 見ていますね♪


ハンズオフもOKなBMW i4の高度運転支援レベル2の技術。でも、前はしっかり見ないとダメ!と、清水さんもおっしゃっています。突然の豪雨にも遭遇し、LKASの進化も体感できた試乗動画はコチラ↓です!

(試乗インプレッション:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

【SPECIFICATIONS】
BMW i4 eDrive40
全長×全幅×全高:4785×1850×1455mm
ホイールベース:2855mm
最低地上高:125mm
車両重量:2080kg
トランクルーム容量:470L(後席折り畳み時 1290L)電気モーター種類:交流同期電動機
最高出力:250kW(340ps)/8000rpm
最大トルク:430kW(43.8kgm)/0-5000rpm
燃費 WLTCモード:157Wh/km
一充電走行距離WLTCモード:604km
駆動方式:後輪駆動
サスペンション形式 F/R:ストラット/マルチリンク
ブレーキ F/R:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ F/R共:225/55R17
車両本体価格(税込):7,500,000円

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この記事の著者

清水和夫

清水和夫 近影
1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。