流行りのホワイトレタータイヤは文字を白く塗ってるわけじゃないって知ってた?

■白いゴムを仕込んだ金太郎飴方式

ホワイトレター断面図
製造途中のホワイトレタータイヤ断面。手前側がタイヤ表面のサイド部分。白いゴム外側の黒いゴムが削られることで白い文字となり浮き出てくる

タイヤを横から見た時に、一番目に入るサイド部分に描かれたブランドロゴやサイズなどの文字が白く浮き出るようになっているのがタイヤがホワイトレター(白い文字)タイヤ。クロスカントリー4WD車や、アメリカンスポーツ車のタイヤとして一部に人気でしたが、SUVやアウトドアブームの影響でしょうか、近年装着車が多くなり、人気が高くなってきています。ホワイトレターを見た女子が「かわいい」と発言しているのもよく耳にします。

トーヨータイヤのオープンカントリーA/T EX
トーヨータイヤのオープンカントリーA/T EXはホワイトレターのみの製品

ところで、あのホワイトレターはどうやって作っているかご存知でしょうか?

普通に考えると出来上がったタイヤの文字部分を上から白い塗料などで塗ってあるように思いそうですが、実はそうではありません。あらかじめタイヤ製造時に白くしたい文字部分の下に白いゴムを仕込み、タイヤの形ができた時点でその表面の黒いゴムを削ることで文字の形になった白いゴムが露出するというわけ。まるで、金太郎飴のような断面構造なのです。

●タイヤは黒く着色している

カーボンブラック
カーボンブラックという黒炭の粒子を使っていたのでタイヤは長い間黒かった

ところで、タイヤが黒い理由は知ってますか? タイヤは単なるゴムだけではなく強度を上げるためにカーボンブラック(炭素の微粒子)という材料を混ぜて使っていたから黒かったのです。

なのですが、今のタイヤはカーボンブラックよりもシリカを多く使うようになっています。そのため、実はタイヤが黒いのは色づけしているのです。

タイヤは黒いほうがクルマが引き締まって見えるので、このように色づけしているわけです。

●ホワイトリボンタイヤもある

ホワイトリボンタイヤ
ホワイトリボンタイヤも作り方はホワイトリボンと同じ。手間とコストが掛かるが、ふたたび人気があがりつつある
プリンス スカイライン デラックス
1957年式プリンス スカイライン デラックスにもホワイトリボンタイヤが装着される

1950年代や1960年代のアメリカ映画などを見ると、タイヤのサイドウォールが白くドーナツ状に塗り分けられているものがよく見られます。これはホワイトリボンタイヤと呼ばれます。古き良き時代を演出する際にも欠かせないアイテムです。

ホワイトリボンタイヤも作り方はホワイトレターとほぼ同じなので、文字部分を白い帯状にしたゴムを仕込んで作られています。

アメリカで流行ったものですから当然、かつての日本にも多くのホワイトレタータイヤがたくさんありました。しかし、石油ショックの際にホワイトレターは製造時に無駄なエネルギーを使うし、コストがかかるということでほぼ無くなってしまいました。しかし、レトロ調のドレスアップカーなどには人気が高く、今はまた復活の兆しも見えてきて新品が製造販売されるようになってきました。

●青くなっていても洗えば白くなる

ホワイトレター青保護
手前がホワイトレタータイヤの断面サンプル、奥はブルーの保護剤が塗られている状態

ホワイトレタータイヤやホワイトリボンタイヤを注文したのに、文字やリボンが青い…ということがあります。

実はこの青の部分は、ホワイトレターやホワイトリボンを守るための保護層で、洗うことで除去できます。

東京オートサロン2022でトーヨータイヤはオリーブ色レターのタイヤを参考出品
東京オートサロン2022でトーヨータイヤはオリーブ色レターのタイヤを参考出品

一般的な洗剤を使ってスポンジでこすると白い部分が出てくるので、安心して下さい。洗う際には、石油系クリーナーやシンナーなどの溶剤が入ったものはタイヤを傷めるので使わないようにしましょう。

今後は、ホワイトレターだけでなく、他のカラーで文字を描いた製品も登場が見込まれています。時代とともにクルマを楽しむためのアイテムが増えていくことは、クルマ好きでなくとも街を彩り時代を象徴してくれるので、嬉しいことですね。

(文/写真:諸星陽一)

【関連記事】