道路標識「居住者用車両を除く」ってどんな意味? タクシーや配送業者は通行禁止なの?

■補助標識「居住者用車両を除く」の正しい意味は?

意味を正しく理解できている人は意外と少ないかも
意味を正しく理解できている人は意外と少ないかも

東京都の住宅地などでときおり見かける「居住者用車両を除く」の補助標識。「車両通行止め」との組み合わせでは、その道路は地区の居住者以外は通行できないことになってしまいます。

そうなると、タクシーや配送業者なども通れないのでしょうか。居住者の生活にも支障がありそうです。なんとも不可解な「居住者用車両を除く」の補助標識について調べてみました。

●そもそも補助標識とは

補助標識とは、本標識の意味を補足するための標識
補助標識とは、本標識の意味を補足するための標識

補助標識とは、本標識の意味を補足するための標識です。規制標識や指示標識などの本標識の下に付いた補助標識には、おもに「距離や区域」「日時」「車両の種類」「規制理由」などが記載されています。

よく見かけるのは、以下のような組み合わせです。
・「30km/h速度制限」+「ここから」(この地点から制限速度30km/hに規制)
・「指定方向外進行禁止」+「8-20」(8〜20時まで標識で指示された方向以外への進行禁止)
・「車両通行止め」+「土・日曜・休日を除く」(土・日曜・休日以外は車両通行禁止)
・「車両進入禁止」+「原付を除く」(原動機付自転車以外の車両は侵入禁止)

では「居住者用車両を除く」の補助標識は具体的にどんな意味になるのでしょうか。

●実際の意味は「居住者宅に用事がある場合以外は通行禁止」

「居住者」が意味する対象範囲は意外と広く、実際の意味は「居住者宅に用事がある場合以外は通行禁止」
実際は「居住者宅に用事がある場合以外は通行禁止」となっている

「居住者用車両を除く」の補助標識は、おもに「車両通行止め」や「大型貨物自動車等通行止め」と組み合わされることで、「居住者以外の特定車両の侵入禁止」といった意味になります。

つまり、「居住者用車両を除く」の標識が設置された道路は、その地区の居住者が使用する該当車両でなければ通れません。

ただし、「居住者」が意味する対象範囲は意外と広く、実際の意味は「居住者宅に用事がある場合以外は通行禁止」です。

そのため、その地区に訪問や送り迎えなどの用事がある人はもちろん通行可。緊急車両や工事車両、ゴミ収集車なども問題ありません。

タクシーや郵便、宅配便やウーバーイーツ系もその地区への送迎や配送が目的なら通れます。その地区の事業者も居住者として扱われるので、事業に関係する車両なども通行可能です。

「居住者用車両を除く」の補助標識の目的は、あくまでその地区に侵入する無用な車を排除するためと言えるでしょう。

なので、移動時間短縮のためのショートカットなど、その地区に用事がない車の場合は「通行禁止違反」の罰則名で、違反点数2点と普通車の場合は反則金7000円が科せられる恐れがあります。

ですが、そこで疑問が生じます。警察はどうやって居住者とそうでない車両を見分けるのでしょうか。

●タクシーや配送業者が通るには証明が必要

「スクールゾーン」や「歩行者専用道路」で規制された道路は、警察署で発行される通行禁止道路通行許可証を掲示すれば走行できるので、違反車両を見分けるのは簡単です。

それに対して、居住者以外の車両が侵入禁止となっている道路には、通行許可証が発行されません。そもそもの原則として許可証が存在しないのです。

そのため、仮に警察に呼び止められた場合は用事の証明が必要になります。訪問者にとってはこの証明がとても厄介です。

配送業者なら伝票などで証明できる場合があるでしょう。ですが、知人宅の訪問や送り迎えで通過した場合には、その場での証明が難しいので、居住者に連絡して説明してもらうか、居住者に証明書のようなものを発行してもらうしかありません。

●「居住者用車両を除く」が守られていない実態が

東京都内にある、このような「居住者用車両を除く」の補助標識は「東京マイタウン化総合交通対策」の一環だそうです。

「東京マイタウン化総合交通対策」とは、昭和52年から3ヵ年にわたって実施された都市計画で、「生活道路から通過交通を排除し、歩行者などの安全を図る目的で実施されているもの」と、東京都議会会議録で説明されています。

「居住者用車両を除く」の補助標識は都心・副都心周辺に数多く存在しているようで、港区西麻布や世田谷区東玉川の住宅街をはじめ、台東区明治通り周辺や吉祥寺駅周辺などでも標識の目撃情報があります。

違反が多い場所では、警察官が出口付近で重点的にチェックしていることもあるそうですが、そのほかの場所では許可証の掲示が不要なこともあって、ショートカットの抜け道として利用される実態があるようです。

「車両通行止め」+「居住者用車両を除く」の補助標識がある道路は、あくまで「居住者宅に用事がある場合以外は通行禁止」です。狭く入り組んだ住宅地などに設置されている場合が多く、過去には交通事故も起こっています。

意図せず迷い込んでしまうこともあるでしょう。こういった狭い住宅街では「居住者用車両を除く」だけに限らず、一方通行などで規制されている場所も多いので、事前にしっかりと標識を確認しておくことが大切ですね。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])