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■アウトドア好きならオフの一日、N-VAN+STYLE FUNを駆りだし愛犬と一緒にソロキャンプなんていかが?
いつもは自動車専門誌や経済誌、またテレビのコメンテーターとして、日々小難しい原稿に追われている国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。でも、今日のスケジュールはオフ(な気分?)! のんびりと、愛犬ココちゃん(ブリタニースパニエルの女のコ)を伴って、森の中へソロキャンプへ!
相棒は、昨年2月にマイナーチェンジが行われたホンダの軽商用車「N-VAN」。先進安全運転支援システムの「Honda SENSING(ホンダ・センシング」が全グレードに標準化されました。
その中でも「N-VAN +STYLE FUN」は、商用というよりは趣味的要素が人気で、荷室の広さは使い勝手も素晴らしく、アウトドア派にも支持されている人気のモデルです。
そして、今日清水さんが乗っているのは、FF、6速MTのNAバージョン(+STYLE FUN には4WD、CVT、ターボもあり)です。
では、完全オフ気分?の清水さんと愛犬ココちゃんのソロキャンプへ同行してみましょう。(クリッカー:永光)
●好きな時に、好きな人と、行きたい場所に連れて行ってくれるクルマは『思い出製造機』
今年2022年4月で、免許取ってちょうど50年になったんだよね。大体年間4万kmくらい走ったかな。合計すると200万km! 地球50周!! でも、まだ走り足らない。
クルマって、サーキットやワインディングを走るのもいいんだけど、こういう大自然の中に連れてきてくれるから、好きな時に、好きな人と、自由に好きな場所に行ける自動車。これはある意味、自分の人生を振り返ったときの『思い出製造機』みたいな感じだよね。
だから、古いクルマを見ると、あの時、誰とどこに行ったっていうのはめくるめく記憶として出てくる。
人生って誰しも一度しかないんだけど、身体が健康で仕事ができれば、好きなところに好きな人と行ける。それが最高の贅沢だなって。
●なんでこんなに荷物が載るんだ?
コレ、軽自動車だよね!? いや~よくまぁこんなに荷物載ったよね。も~下ろすのに一苦労!
最近の軽自動車は侮れないなって思うよ。あ、そうだ。ちっこい自転車1台持ってきたほうがいいかな? でも、これだけ積んでまだ余裕のヨッチャンですから、恐るべしホンダのN-VAN。
●助手席から後席、荷室までがフルフラットになるダイブダウンは、こうやる
なんかね、最近の軽自動車のキャビンの使い勝手っていうのは、いろんなカラクリがあって、こういうの作ったら日本人は凄い。
・まずはリヤシートのヘッドレストを取る。
・取ったら、このオレンジ色の紐を引っ張る。
これね、意外と軽いから女性でもできるね。色分けしているから分かりやすいよね。
・シートがちょっと前に行ってこのまま倒れると、完璧フルフラット!
ここで寝ればいいんだよね。だからテントは要らない感じかな。
・同じように、この助手席も倒すためにヘッドレストを取る。
どうも前のシート(助手席)もカラクリがありそう。というのは、運転席とシート形状が全然違って左右非対称。だから、この助手席のシートになにかカラクリがありそうですね。
そして、この助手席ヘッドレスト。実は装備が法規で決まっているので、外してどっかにいっちゃうとマズイですから、ココ(ドア内側ポケット部)に「助手席ヘッドレスト収納ホルダー」があります。ここに置いておけば無くならない、と。
・オレンジ色の紐を引っ張って助手席を倒す。
で、ここで寝られますが…。ココの穴にケツが入っちゃうんだよ。これは欠陥! な~んて思ったら、蓋(っていうのか?)をすれば完璧なフルフラット! アナログだけど紐もあって無くならないようになっています。
これがホンダのこだわり。これで、身長2mのジャイアント馬場さんも「ウッフッ!」って寝られますね。
●センターピラーレスで助手席側、大解放♪
あ!! ピラーがないじゃん! これだけでもう、思いっきり解放♪ こういうクルマは日本人じゃないと作れないなと思う。
側面衝突がちょっと気になっちゃうんだけど…。強烈に頑丈にしっかり作って、スポットの跡がもうこんなに狭いスパンで溶接しているから、このへんの剛性は凄くあると思いますね。
[ホンダ独自の安全技術「G-CON」により、衝突時の衝撃(G)を制御。軽量かつ高強度な素材を各所に配置することで衝突安全性能をアップ。助手席ドアとスライドドアには、センターピラーの機能を内蔵したドアインピラー構造を採用。ドアクローズ時はピラー構造と同等の衝突安全性能を確保されています。]
このクルマ、なんなんだよ♪ もう家いらないじゃん。ここで住民票取ればいい人生過ごせますね、あと20年くらい経ったらそれもいいな。
このホンダ・N-VANで日本一周、宿泊費ゼロで好きなところに行きたいな~。
●肝心の走りは…足のバタバタ感で70点? でも使い勝手の良さは200点!
軽自動車のマニュアル、660cc自然吸気エンジン。ターボで自主規制64psだから、このNAだとどうだろうな(※NA=53ps)。NAだから走らないかな?と思ったけど、意外とホンダのNAはよく回るし、50ps+αあれば十分だよね。
ここは50km/h規制。こういう新緑の中を走るのに、このN-VANは丁度いいな。
問題はこの…なんだろなぁ、ちょっとタイヤのドタバタ感とロードノイズはデカいよね。タイヤとサスペンションにもうちょっとお金をかけて欲しいなって思うんだけど。多分コレ、軽トラのノリで作ってるな。
でも、本当に室内のユーティリティは使い勝手良いし、もうホント、すぐにでも欲しいんだけどね。
買ったら、オレはまずサスペンションチューニングして、タイヤを換える。タイヤは最近、EV対応で静かなタイヤを作るようになったでしょ? タイヤの中にスポンジ巻いているんだよね。手っ取り早いのはダンパーかなぁ。バネ交換とかでもいいんだけどね。
フラフラ感がちょっと…。N-VANは屋根が高い商用だから重たい荷物を積む。だからこのクルマ、重心点が高いんだよな。
ソロキャンプ用の荷物積んでみると、上半分くらい、上下で天地が余っているから、あそこまで使い切るっていうのはなかなかできない。こんなに屋根が高いのは要るのかな?ってちょっと思うんだけど。
上下天地で大きいルノー・カングーは、よく愛犬ファミリーに使われています。なぜかっていうと、ケージを2段重ねで積めるっていうメリットがあるんです。
でもそれはメジャーな用途ではないので、クリーニング屋さんが洋服を吊るすとか、フローリストさんが背の高い植木を積むとか。そういう用途は使い勝手がいいけど、今回みたいなソロキャンプで荷物を天井までめいっぱい積むっていうのは、ちょっと考え難いね。
今回、本当にいい経験したね。このN-VANの存在は知っていたんだけど、荷物積んだり下ろしたり、使い勝手の良さは200点! 凄い!! こういうきめ細かいクルマ作りって、日本人のお家芸だし、しかもホンダのこだわりっていうのは凄いな。
まぁ、あとクルマとしての走りは、もうちょっと鍛えて欲しいなっていうのはある。N-BOXくらいのレベルを求めちゃいけないかどーかは分からないけど、70点くらいかな。
ということで、まぁ日本の軽自動車は多様性が凄いなと思いました。これはね、多分メルセデス・ベンツやルノーとかステランティスとかフィアットとかに教えてあげたいね、このクルマの存在を。
清水和夫御大自らシートアレンジに挑戦、愛犬ココちゃんとののんびりな一日を覗いてみてください。
(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)
【SPECIFICATIONS】
車名:N-VAN +STYLE FUN(FF/6速MT/NA)
全長×全幅×全高:3395×1475×1945mm
ホイールベース:2520mm
トレッド(フロント/リヤ):1310/1310mm
最低地上高:155mm
車両重量:940kg
乗車定員:4名
最小回転半径:4.6m
エンジン:直列3気筒DOHC
総排気量:658cc
最高出力:39kW(53ps)/6800rpm
最大トルク:64Nm(6.5kgm)/4800rpm
燃料タンク容量:27L(無煙レギュラーガソリン)
燃費消費率WLTCモード:19.8km/L
サスペンション(フロント/リヤ):マクファーソン式/車軸式
ブレーキ(フロント/リヤ):油圧式ディスク/油圧式リーディングトレーリング
タイヤサイズ(フロント/リヤ共):145/80R12 80/78N LT
価格(税込):1,629,100円
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