日本メーカー初の充電できる燃料電池車、ホンダ新型「CR-V e:FCEV」を2024年夏に日本発売!

■水素一充填あたりの走行距離は600km以上、EV航続距離は60kmを確保

以前お伝えしたように、ホンダは、2024年夏に日本で発売される予定の新型燃料電池車(FCEV)の「CR-V e:FCEV」を「H2 & FC EXPO 春2024~第21回国際 水素・燃料電池展 春~」でワールドプレミアしました。カモフラージュされたコンセプトモデルはお披露目済みでしたので、今夏発売予定としては世界初公開になります。

充電できる燃料電池車、新型ホンダ「CR-V e:FCEV」
充電できる燃料電池車、新型ホンダ「CR-V e:FCEV」

ホンダは、早くから燃料電池車の開発をスタートさせていましたが、現在の日本ではトヨタMIRAI、ヒョンデのNEXO(ネッソ)くらいしかありません。

新型ホンダ「CR-V e:FCEV」の燃料電池、パワートレーンのイメージ
新型ホンダ「CR-V e:FCEV」の燃料電池、パワートレーンのイメージ

ホンダは、2002年に「FCX」がFCEVとして世界で初めて米国環境保護庁とカリフォルニア州大気資源局認定を取得し、日本と米国でリース販売をスタート。

さらに、2008年には「FCXクラリティ」、2016年には「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」のリース販売がそれぞれ開始していました。

「CR-V e:FCEV」最大のトピックスは、日本の自動車メーカーでは初めて(2024年2月時点。ホンダ調べ)プラグイン機能も与えられたことです。なお、充電できるFCEVとしては、メルセデス・ベンツが世界初の「GLC F-CELL」を日本でも発売したことがあります。

新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のリヤビュー
新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のリヤビュー

FCEVの利点である航続距離の長さ、水素の充填時間の短さはそのままに、家庭や外出先で充電できるプラグイン機能を加えることで、使い勝手がさらに高まっています。

新型CR-V e:FCEVの一充填あたりの走行距離は、600km以上(WLTCモード)に達し、EV走行可能距離も60km(WLTCモード)以上になる見込みで、日常の買い物や通勤などであれば、大半の方がEVとして使えるEV走行距離が確保されています。AC充給電コネクターは、日本と米国の普通充電規格である「SAE J1772」が採用されています。家庭のACコンセントに接続して、気軽に車両の充電を行うことが可能。

新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のインパネ
新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のインパネ

約3分の水素充填時間というメリットに加えて、ロングドライブも可能な「CR-V e:FCEV」には、外部給電器による高出力な電力供給に加えて、普通充電ポートに接続する給電専用コネクターにより気軽に電気を取り出すことができ、アウトドアから万一の災害時まで給電のメリットを享受できます。

普通充電ポートに、AC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を接続することで、最大1500WのAC給電が可能な外部給電機能も装備し、停電時やアウトドアなどのレジャーでの電源として活用できます。

給電機能も備える。Honda Power Supply Connectorの装着イメージ
給電機能も備える。Honda Power Supply Connectorの装着イメージ

日本仕様には、荷室内に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターに「Power Exporter e:6000(パワーエクスポーターイー)」「Power Exporter 9000」などの可搬型外部給電機を接続することで、非常時や屋外イベントなどで高出力の電力供給が可能なDC外部給電機能も用意されています。

また、北米や中国などで販売されている6代目のCR-Vをベースにすることで、SUVならではのユーティリティやパッケージングが確保され、多様な個人ニーズにも応えるとしています。車内は、ベースのCR-Vと同様に、ゆったりとした居住空間を確保しています。

新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のインテリア
新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のインテリア

ラゲッジスペースは、水素タンクの張り出しを使い勝手に積極的に利用するアイデアが盛り込まれています。フレキシブルボードを使ったフラットで広いラゲッジスペースと荷物の整理がしやすい2段式の荷室を実現。

また、エクステリアは、歴代のCR-Vが持つスポーティで機能的なスタイリングに、「クリーン」「タフ」「アイコニック」をキーワードとしたFCEVらしい先進的な佇まいと力強さを表現したとしています。一方のインテリアは、上質さとタフネスさを併せ持ち、環境に配慮された素材としてシートにバイオ合皮が採用されています。

新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のラゲッジイメージ
新型ホンダ「CR-V e:FCEV」のラゲッジイメージ

なお、CR-V e:FCEVには、ホンダとGMが共同開発し、両社の合弁会社である米国ミシガン州のFuel Cell System Manufacturingで生産される燃料電池システムを搭載。

この燃料電池システムは、「CLARITY FUEL CELL」に搭載されていたものと比べると、白金使用量の削減やセル数の削減。量産効果などによりコストを3分の1にするとともに、耐久性を2倍に向上させ、耐低温性も大幅に引き上げられています。

また、燃料電池システムを中心としたパワーユニットを一体化することで、小型軽量化を実現。ベースのCR-Vのエンジンマウントをそのまま活用可能で、コスト低減に寄与するとともに、衝突安全性も引き上げられています。さらに、振動や騒音もCLARITY FUEL CELLよりも大幅に低下し、走りの上質感を大きく向上させたとしています。

充電できるホンダ「CR-V e:FCEV」を世界初公開
充電できるホンダ「CR-V e:FCEV」を世界初公開

米国オハイオ州にあるPerformance Manufacturing Centerで生産され、日本に輸出されます。CR-V e:FCEVは、2024年に日本に加え、北米での発売が予定されています。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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