【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第20回・絶妙のポジションを獲得した軽快セダン&ワゴン。スバル・インプレッサ(初代)

一方、前後ガラスを1枚に見せるサイドウインドウは、伝統のサッシュレスドアを生かす手法。さらに、スポーツワゴンでは白鳥の羽のように美しいカーブを描くリアピラーがエレガントさを演出します。

インテリアも骨太感がテーマ。インパネ、シートとも一体成形を多用することで連続感を持たせ、高い機能性も感じさせます。

デザインチームはカタマリ感を重視して、ボディをフォルムで語りたいとしました。この姿勢と、ハードトップ・ショートワゴンという軽快な要素との融合が、独自の世界観を生み出したようです。

カローラやサニーの上、コロナ、ブルーバードより下という絶妙のポジションは、単に販売的なリサーチから生まれたのではなく、造形の本質をおさえたデザインの力でもあるのです。

●主要諸元 スバル インプレッサ ハードトップセダン 1.8HX Edition-s(5MT)
形式 E-GC6
全長4350mm×全幅1690mm×全高1450mm
車両重量 1160kg
ホイールベース 2520mm
エンジン 1820cc 水平対向4気筒SOHC16バルブ
出力 115ps/6000rpm 15.7kg-m/4500rpm

(すぎもと たかよし)

この記事の著者

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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