チューニングメーカー「HKS」初代社長・長谷川浩之の熱き魂に迫った!【OPTION 1983年7月号より】

改造文化論は、やれるとこから攻めなくちゃ

D:ズバリ聞きます。社長はチューニングパーツを開発しているわけですが、改造車問題との接点は、どう考えているんですか?

H:これは、真剣に取り組まなければならない問題だ。基本的な考え方はメーカーに準じた品質で、メーカーの上をいくパーツを作ること。ターボキットでも、ちょっとイヤな言い方かもしれないけれど、客を選ぶようにしている。

D;ムチャなユーザーには売らないとか?

H:徹底するのは難しいかもしれないけれど、販売店には「客を見ろ!」と言ってる。車高短車や一見して暴走族風のクルマには売らないとか。改造車も、使い方次第で良識ある人が使えば楽しめるけど、間違ったら危ないことは分かっている。

D:画一的に見れば、公道をブッ飛ばすのはみんな暴走族と言いますが、信号無視やマフラーぶち抜きのクルマで走り回るのと、ひとりで密かに走るのとでは区別していいと思う。

H:「改造パーツを作っているヤツが何を言うんだ!」と言われればそれまでだけど、できるだけ社会に迷惑をかけないような方向に努力しているよ。改造の楽しみくらい、あってもいいだろう。

D:改造車でなくても事故はあるし、スピード違反もある。メーカーなんか、暴走族だろうが運転初心者だろうがクルマを売っちゃう。これこそ問題ですよ。

H:Daiちゃんがよく主張する、改造文化論も、実際には難しいと思うよ。日本じゃね。アメリカやヨーロッパのようにクルマの伝統が無いし。向こうは個人や役人、すべてがクルマをよく知っているし、使いこなせるからね。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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