チューニングメーカー「HKS」初代社長・長谷川浩之の熱き魂に迫った!【OPTION 1983年7月号より】

課題はコンピューター、難しいね、これは

D:純正ターボチューンにしても、最近のエンジンは電子制御のインジェクション。それもどんどん高度化している。コンピューターチューンってやつですよ。専門的な知識や技術が必要ですね。

H:ECCSやTCCSの電子インジェクションは本当に難しいよ。だけど、これをコントロールできないと、チューンできないからね。

D:コンピューターをいじれるチューナーが数少ない・・・。

H:やる気になれば出来ると思うけどね。最初がいけなかった。新車がインジェクションに変わっていったとき、真正面から取り組まず、キャブ仕様に逃げた気がする。もちろん、キャブチューンの良さも認めるけれど、将来的な方向がコンピューターなのは歴然としているんだから、積極的に取り組まないと。

D:そういう社長も、コンピューターなんか全然知らなかったとか?

H:オレがヤマハの研究課にいたときなんか、ターボもそうだけど、コンピューターの「コ」の字も知らなかった。トヨタに出向して担当したトヨタ7という時代、最高のレーシングカーでも使ってなかったくらい。

D:どうやって勉強を?

H:小学生と同じだよ。本を買って読み漁り、その知識を実車で試してみる・・・この繰り返し。分からないことは恥ずかしい!なんて言っていられないから、教えてもらったこともある。技術は努力しかない。それと実験、分析だね。ウチももっと勉強しなければならないので、電子系に強い若い人を育てている。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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