トラスト・スーパー7Mソアラ、マフラー+懐かしのRebic+TVVCでのブーストアップのみで259km/h!・その1【OPTION 1986年8月号より】

clicccar版元祖【Play Back The OPTION】の今回は、2019年7月2日の公開分から3回に分けお届けした『トラスト&OPTIONジョイント企画 スーパーソアラ7MG』(1986年7月号)の連載2回目、1986年8月号のトラスト7Mソアラをお届けします。

前回は超ウェット・コンディションの中、マフラーチューニングのみで最高速=245.32km/h、ゼロヨン=14.49秒を記録しました。さて今回は? あら~、谷田部テストドライバーはDaiちゃんではなくコボちゃんです!

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OPTION・TRUST Joint Tuning
新ホットマシン『スーパーソアラ7MG』チューニング計画

■わずか30万円チューンでいっきに259km/h!!

それにしてもアッケない! 開発期間わずかに1ヵ月。それで軽~く最高速259km/hなんだから。

あらためて7M-GTEUソアラの秘めたるポテンシャルとトラストのチューニングパワーにはビックリだ。もちろん、舞台裏を明かせばいくらGReddyソアラ(大川5Mソアラ)のノウハウがあるからといって、余裕で開発が進んだわけじゃない。連日連夜、集中的な開発テストが行われていたのだ。ともあれ、コストパフォーマンスも抜群!の、最新チューニング成果に注目!!

トラスト7Mソアラ
OPTION・TRUST Joint Tuning 新ホットマシン『スーパーソアラ7MG』チューニング計画!

【STEP2】
最高速 259.00km/h
ゼロヨン 13.68秒
パワーチェック 355ps

■印象的なのは、ノーマル感覚のスムーズ加速! 高速テストインプレ by 桂 伸一(コボ)

・それにしても259km/hも出てるって、ホント、思えなかったゼ!

ソアラがいよいよスーパーになってきた! マフラーチューンによる296ps仕様からブーストアップと燃料増量ユニットの追加で、355psというチューンドカー並みのパワーを得たステップ2。まずは実力チェックだ。

ドライバーのコボちゃん
コボちゃんが7Mソアラのテストドライバーです!

ブースト圧が最大0.8kg/cm2に高められているせいか、2500rpmを超えてターボが効き始めると回転の上がり方は急で、軽く吹ける。1.5tの車重をものともせず、トルクで押し出されるようなフィーリングが続くのだ。

ノーマルは4000rpmを過ぎるころから軽さがなくなり、5000rpmで頭打ちになるが、今回のチューンはOD(オーバードライブ)に入った状態でトップエンドの5700rpmまでグングン伸びていく。それにしても、チューンドターボ特有のパワーの段付き感がない。ATとのマッチングも良く実にスムーズなのだ。

谷田部のバンク走行
サスペンションが柔らかすぎて、バンク内でバンプするという。怖いですね~!

そのパワーフィーリング同様、エンジン/排気音もノーマル感覚。気になるのは高まる風切り音のほうだ。スピードメーターは「180」で止まったまま。ストレートの計測地点でも「コイツは速い!」って気は全然しない。ボディのリフト感は感じるけれど、直進安定性も決して悪くない。フィーリングでは200km/hプラスかな?という速度感覚なのだ。だから、正直言って259km/hも出ていたと後で聞いてビックリ。

しかし、速さを感じさせないストレートに対して、バンクのほうはタダゴトじゃなかった。オーバー200km/hで進入するバンクでは、横Gでロールが大きいうえに(バンクの中でロールを感じたのは初めて)、路面の荒れによってバンプすること数回。スーパーソアラのパワー/車速に対して、いくらTEMSのスポーツサスとはいえ明らかにソフト過ぎるのだ。

バンプの度にステアリングの修正とアクセルを戻したい気持ちを押さえながらの走行は「259km/h」という実速以上に迫力もの!

これを抑える効果もあるハズのエアロパーツだが、控えめなデザインの純正エアロはやはり役不足。整流効果は高いかもしれないが、オーバー250km/hでは路面に押さえつける威力は少ないようだ。

フェンダー部のステッカー
Rebicですよ、懐かしいですね!

もっと355psのパワーと259km/hの速度に対して、腰高でソフトなノーマルの足まわりではエアロの効果も半減するはず。軽く250km/hをオーバーするスーパーソアラには、足まわりのチューニングが絶対だということを、あらためて再確認させられた。

というわけでトラストさん、サスチューンもヨロシク!

■このレベルがノーマル7MGターボパワーの限界ですね! by 大川 光一

いや~、このくらいじゃないかな? 一応、速度上の目安は260km/hだったからね。今日は気温も少しずつ上がってきたしノーマルエンジン・タービン・インタークーラーじゃこのへんが限界だね。これだけ出れば十分ってもんじゃないかな。

トラスト開発の3名
スーパーソアラ7MGを作り上げるMr.大川(左)、平田(中央)&アツシ(右)メカ。「鬼に金棒」のトラスト・チューニング・トリオなのだ。

0.8kg/cm2のブーストとRebic(追加インジェクター・コントローラー)のセッティングからも、ほぼ計算通りってところですね。ニューソアラオーナーでリミッターカットだけじゃ満足できなくなった人にピッタリじゃないかな。

でも、次のステップを期待していてくださいね。三菱製タービンなどを使った純正ターボチューンで、そのへんのチューンドカーなんかブッチギリのクルマにしますよ。

一応の設定目標はズバリ、275km/hオーバー。これでOPT最高速ランキングに初登場して、グングン上位に赤マル急上昇していきますからね!

OPTION1986年8月号
OPTION1986年8月号はこんなでした~!

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コボちゃんドライブで、はやくも259km/hが出ました! さすが新型7Mソアラですね。さて次回は、このステップ2仕様の詳しい紹介です。ちょっと皆さん、Rebicですよ、レビック! それにTVVC、ティーブイブイシー!!…懐かしいですね~!

[OPTION 1986年8月号より]

(Play Back The OPTION by 永光 やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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