チューニングメーカー「HKS」初代社長・長谷川浩之の熱き魂に迫った!【OPTION 1983年7月号より】

日産のV6、ユックリ取り組みたいね

D:魅力的なパワフルエンジンが次々に出てきましたよね。1G-G、3T-GT、FJ20、4A-G、そしてL型に代わるV6。楽しみですよ!

H:もう戦争だね。4A-Gなんか8000rpm近く回るらしい。最高パワーが6600rpmで130ps。でも、実車をテストしてみないと分からないね。

D:メーカーのテスト車と比べ、最高速で10km/h、ゼロヨンで1秒は遅いとみたほうがいい。

H:1G-GなんかDOHC4バルブの高回転型はいいけれど、低中速トルクが実走でまったく感じられない。街中じゃ乗りにくいと思うよ。

D:しかし、そこがHKSのようなチューニングパーツ屋の狙い目でもあるわけでしょ!

H:性能に満足できないマニアがチューンするからね。だけど、別の正当性もあるんだ。メーカーがいくら高性能エンジンを作っても、その全ポテンシャルを出すわけにはいかない。オレたちは、その潜在部分をクリアにしてやるわけだ。エンジン本来の良さを発掘して、さらにパワーの可能性を追求する。パーツを強化、改良するだけでも性能アップする場合もある。

D:日産V6はどうなんでしょうかね。伝統の「エル」に代わるわけですが。

H:基本的には、L型よりポテンシャルは高いと思うよ。同じようなボア・ストロークならフリクションが少ないから。問題はブロック剛性。ボルトオンターボの場合、簡単にガスケットを厚くして圧縮比を下げようとすると、バンク中央の一体式INマニのポート部分がずれたりする。だからマニホールドにスペーサーかましたり、ピストンで圧縮比を下げなければいけなくなる。まぁ、V6に関しては、ユックリ様子見ながらだね。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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