静かなようで静かでない乗用車もある
「その一方、ドライバーにとっては、走行中の騒音や振動もある種の信号、判断材料です。音圧やピッチの違いで路面の状況がよくわかったり、そのときのクルマの速度を体感で正確に把握できたりもします」
--騒音や振動は、消してあればいいというものでは必ずしもない、と。
「判断材料として必要な音や振動が消されてしまっているせいで、目でみて判断できる速度と身体のほかの部分で感じている速度が一致しないクルマ。そういうのは乗っていて気色悪いですよ。“速度感がない”なんていったりしますが」
「いかにも静かで滑らかなようでいて、速度感がない。そうかと思うと、車体が弱いから実はガタガタやブルブルがけっこうでていたりもします。乗用車は」
--なるほど。
「“ブル感”といったりします。一見快適そうでいて、そうでもない。誰でもすぐにそれとわかるような騒音や振動よりもかえってたちが悪かったりします」
--んー。