高速道路でプロボックスが飛ばしてる理由が判明【その2】

レーシングカーに公道用ラジアル

「ハンドル操作に対する反応が穏やかなタイヤは、真っ直ぐ走るのがラクなタイヤでもあります。車体やサスペンションがしっかりしているのも真っ直ぐ走ることに関してはプラスの要因です。さらに、ハンドルのギア比がクイックではないこと。少々のことではタイヤの向きがフラついたりしない、あるいはクルマの進路が意図せずグラついたりしない性能が、バン車には備わっています。進路を管理するにあたっての、しっかり感。扱いやすさ」

--それによってもまたトバせてしまう。

営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由2

「たとえていうなら、レーシングカーに公道用のラジアルタイヤを履かせたような感じでしょうか。タイヤとドライバーの間にぐにゃぐにゃしたアイマイなところがなくて、道路の状況や速度が体感でわかりやすい。進路の管理がやりやすい。アクセル操作に対するレスポンスがいい。おかしなブルブルやガタガタがないから快適で、タイヤの素の特性のとおりに動いてくれる」

--なんだかすごくいいものに思えてきました。

「こうしてバン車の特性をみてくると、どうでしょう。いいスポーツカーに望まれるものがズラッと揃っているとはいえないでしょうか」

--いえそうですね。

「余計な飾りやスペックを取り払った、素の状態のクルマ。素の状態がいいクルマ。視界がいいとか四隅の見切りがいいとか、そういったよさもバン車にはあります。おかしな色つきガラスが使われていたりもしません」

--はい。

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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