拡大する「OEM」や「共同開発」は自動車会社再編の予兆か?

2012年度の国内シェアは1位トヨタ、2位ホンダ、3位は日産を抜いてダイハツか?」や「2012年度上半期(4-9月)新車販売が軽人気で過去最高に !」でお伝えしたとおり、2012年に入って軽自動車の販売が急増しています。

累計販売台数で約146万台(前年同期比+40%)と、国内新車市場450万台(輸入車含む)の32%以上を占めるまでに成長。 

10年前の2003年から通して見ると、緩やかなカーブで販売減となっていた軽自動車でしたが、2012年(1-11月累計)で急増。ピークだった2006年を超える勢いとなっています。

新車市場が縮小する中、トヨタ、日産、ホンダが軽自動車に力を入れるようになり、自社開発&生産するホンダを除き、軽自動車開発に長けたメーカー(ダイハツ、スズキ、三菱)からのOEM調達が活発化。軽自動車を軸とした非常に複雑な提携関係が展開されています。

2003年からの国内販売推移を主要8社について調べてみると、OEM(生産側)大手であるダイハツやスズキは販売台数で既に日産と肩を並べるまでになっている事が判ります。 

軽自動車を一から開発すると多大なコストがかかる為、年間販売台数が30万台以下のマツダやスバルは販売店からの品揃え要求に応えてダイハツやスズキから軽自動車を調達。

日産もラインナップ充実の為、三菱から「オッティ」、マツダから「ラフェスタ」、スズキからは「ルークス」や「モコ」のOEM供給を受けていますが、販売がピークとなった時期にスズキからの供給が不足した経緯も有るとか。

そこで日産は2011年6月1日に三菱と軽自動車の共同開発会社「NMKV」を設立。2013年3月には第一弾となる新型車が発売になる模様。

一方、トヨタはスバルの他にもマツダとの提携関係を強めており、2015年を目処にマツダのメキシコ工場でトヨタの小型車生産を予定。既に「プリウス」のHV技術をマツダに供与するなど協業が進んでおり、2013年にマツダから提携の成果とも言えるHV車が発売される模様。

このように自動車各社は国内市場の縮小を背景に経営効率化の為、売れ筋の軽自動車、HVなど低燃費車の販売でOEMや共同開発を推進しており、中でも注目される日産-三菱、トヨタ-マツダの業務提携拡大は将来の自動車会社再編に繋がる予兆なのかもしれません。

ホンダや昨年VWとの資本業務提携を解消したスズキの今後も含め、2013年度も共同開発やOEMの背景に見え隠れする水面下での提携拡大の動きが注目されます。

 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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