「ぶっちゃけ勝てると思ってた?」復活後初のラリーで総合優勝した三菱ラリーアート。総監督の増岡さんに聞いてみた

■三菱ラリーアートがモータースポーツ復帰後初のラリーで総合優勝を飾った

しばらくの間モータースポーツから遠ざかっていていた三菱が、ついにフィールドへ戻ってきました!

三菱ラリーアートが久しぶりにフィールドで大暴れ。しかも総合優勝!

ちょうど1年前に、タイのモーターショーでお休みしていた「RALLIART」の復活を宣言(その後、日本国内の展開もスタート)。そしてつい先日、11月21日から26日にかけて、復活後初のモータースポーツ活動として、タイやカンボジアを舞台にした「アジアクロスカントリーラリー」に参戦したのです。

チーム名は「チーム三菱ラリーアート」という懐かしいもの。車両は現地で大人気のピックアップトラック「トライトン」で、「改造クロスカントリー車両」というクラスにエントリーしました。走行距離約1500kmという激しいラリーです。

あくまで現地チームのサポートという体制ですが、競技車両開発などは日本の三菱自動車が行ったそうですよ。

マシンはトライトン。海外で展開しているピックアップトラックです

気になる結果は……なんと総合優勝!

エントリーした3台のうち、チャヤポン・ヨーター選手が操る105号車は、2番手に約6分の差をつけてチェッカーを受けました。復活後初参戦で総合優勝とは、幸先のいいスタートですよね。

●総合監督の増岡さんに「勝てると思ってた?」と尋ねてみた

さて、そんなラリーにチームの総監督として貢献したのが三菱自動車の増岡浩さん。

ご存じ、かつて「パリダカ(パリ・ダカールラリー)」で2連覇を果たしたレジェンドドライバーです。

ラリー終了直後に開催されたタイのモーターショー会場で、増岡浩監督を直撃しました。(写真はラリー中の様子)

そんな増岡さんにラリー後にインタビューする機会があったのですが、クリッカーとしては普通の質問では面白くないので禁断の質問を投げかけてみました!

「ぶっちゃけ、勝てると思っていましたか??」

我ながら、なんとぶしつけな質問。ホントすみません。

でも、増岡さんはそんな質問にもニコニコしながら答えてくれます。さすが。

ドロドロの道を走るTEAM三菱ラリーアートのトライトン。

「正直言うとね、勝てる確率は6割くらいかなと思ってた。天候が悪くなり、条件(走行環境)が悪くなればなるほど、ウチが有利になるとは思っていたけどね。

なぜかっていうと、ライバルたちのほうがパワーがあるから。我々はクルマをしっかり作り込んできたから、そこには自信があった。

でもトライトンのエンジン排気量が2.4Lなのに対して、ライバルは2.8Lとか3.0Lあるわけ。出力特性とかトルクではかなわない。今年はこれまでより、パワーがものをいうハイスピードな戦いのコースだったから、そこは心配していたんだよね。

路面が良くてパワーが物をいう状況が続くと不利だし、いっぽうでハンドリングと悪路には自信があったから、雨が降ってドロドロの路面になるとかコンディションが悪くなればなるほど、勝算があると思っていた」(増岡監督)

●実際に競技が始まってみたら、思っていた以上に健闘! そして優勝

だけど、実際に競技が始まってみると予想はいい方向に崩れたそうで。

「うちのクルマが、思っていた以上にライバルについていけた。『これなら優勝を狙えるかも』と希望が持ててきた」(増岡監督)

というわけで、”予想以上”に力を発揮して復活初戦のラリーで総合優勝した三菱ラリーアート。でも、その結果として増岡監督は新しい悩みを抱えることに。

優勝車両を「タイモーターエクスポ」というモーターショーの三菱ブースに展示

「1回優勝するだけなら”まぐれ”っていうこともある。勝ち続けることが本当の実力だよね。だから我々は、来年もアジアクロスカントリーラリーに戻ってくるつもりですよ。

チームのドライバーには、『今年優勝できなかったら、来年はオレがハンドルを握る』って伝えてあったんだけど、来年もボクがドライバーとして参加するのは難しそうだねぇ(笑)」(増岡監督)

増岡監督、ぶしつけな質問で申し訳ありませんでした。

でも来年も期待していますよ!

あと、日本国内のモータースポーツ参戦もぜひ!

工藤 貴宏

この記事の著者

工藤貴宏

工藤貴宏 近影
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。