やっぱり激安ポルシェ911カレラはコミコミ300万円で買って大丈夫…じゃなかった件 【憧れのポルシェ911生活 その2 問題勃発編】

■登録に待った! 思わぬ落とし穴が!

ポルシェ
Myポルシェ♪

前回は996の購入から納車に至るまでの顛末を書かせて頂きましたが、一つ訂正を。

あの時点では、オークション会場から九州のショップまで車両が陸送されて来た…という段階で、正式な登録・納車には至っていませんでした。

そうなんです。実は納車が完了するまでの間に、思いもよらぬドタバタ劇があったのです。ポルシェに限らず、クルマの購入には車庫証明が必要なことは、皆さんご存知の通り。

私も手続きを行うため、現在契約中の駐車場の管理会社に車両入れ替えの連絡と、車庫申請書類へのハンコをもらうべく電話を入れたのですが…。そこでまさかの展開が! 以下は、その時のやり取り。

●え? 月極駐車場にポルシェは駐車できない??

ポルシェ
996前期のネックが収納スペースの少なさ。助手席側ダッシュボードはただの壁で、車検証はステアリングコラム下に取り付けられた金属製の薄型トレイ内に入れるようになっています(っていうか、実際ココに車検証を入れてる人って、いるのかな??)。センター一等地にナビがデデンとはめ込まれたデザインも、時代を感じさせます

私:「あのー、クルマを買い替えるので、車庫証明用のハンコをお願いできますか?」

不動産会社:「車両の入れ替えですね、かしこまりました。おクルマは何でしょう?」

私:「えーっと、ポルシェです」

不動産会社:「ポルシェ?ですか…(先方の態度が明らかに一変)。少々お待ち下さいませ」

……約1分間の保留音……

不動産会社:「お待たせしました。すみません、ポルシェは弊社の規定でお預かりできないので…」

私:「ええ! だって車体サイズは全然駐車場の制限内だし、新車じゃなくてコミコミ300万の大古車ですヨ!」

不動産会社:「それでもポルシェはポルシェなので…。規定でそう決まっているので…」

そんな押し問答がしばらく続きましたが、先方は「規定で決まっている」の一点張り。ようやく中古車サイトを探し回る日々から解放されたかと思いきや、まさかここに来て不動産サイトを探し回る日々が訪れるとは。

幸い、それから2週間ほどで「ポルシェでもOKですよ」という駐車場が見つかったので、こうして笑い話にすることができましたが、「車庫証明が取れずに、まさかの購入キャンセルか?」という不安が一瞬、脳裏をよぎったのは事実。

たまたま私が住んでいる福岡市某所だけに限った話なのかも知れませんが、自前のガレージではなく契約駐車場を利用されている方でポルシェの購入をお考えの皆様は、私のような凡ミスを犯す前に、一度管理会社に「ポルシェだけど大丈夫?」と、確認しておくことをお勧めします。

●ウキウキからモヤモヤに。謎の異音の正体とは?

そんなこんなで思わぬ落とし穴にハマってしまいましたが、無事に保管場所も決まり、ショップ様から登録完了の報せが。

不思議なもので、新しいナンバープレートが付くとそれだけで雰囲気が一変。同時に正真正銘自分のクルマなんだ、という実感もジワジワとこみ上げて来ました(あ、ちなみにナンバーは911とか996じゃなくて、場当たり的な数字の羅列です)。

ポルシェ
両側のサンバイザーにはフタ付き+照明付きバニティミラーが備わるものの、フタの建て付けがとっても貧弱で、筆者のクルマは運転席側のフタが欠落していました。照明も点かないけど、こんなのは小さな問題なので気にしません

さて、だらだらと前置きばかりが長くなってしまいましたが、そろそろ真面目に「コミコミ300万円の911は大丈夫か?」という本題について、話を進めて行きましょう。

そのスジの事情通諸氏からは、デカイと揶揄されていた996ですが、実際は全長4430mm、全幅1765 mmと、トヨタ86/スバルBRZとほぼ同等。今や、コンパクトカークラスでも全幅1700mmを超えるクルマがフツーになっているだけに、取り回し面における苦労は特にありません。

それどころか、信号待ちでショーウインドゥに映り込んだ姿にウットリするほど(アホですね)心はウキウキ。乗るたびに、思い切って決断して良かった、という喜びをしんみりと噛み締めています。

しかし、好事魔多し。納車から1ヵ月ほどが経過し、バラ色のウキウキ気分が落ち着きはじめるにつれ、いろんなことが気になり始めました。

その第一が、アイドリング回転付近で発生するカチカチという異音。ほんの少し回転が上がれば聞こえなくなるため、「気のせい」ということで済ませようとも思いましたが、信号で停止するたびにカチカチ。外から聞くと、結構な音量でカチカチ。

この異音に加え、エンジンパワーも300馬力というカタログ値ほどの力強さが感じられず、気持ち的なモヤモヤが日に日に高まってきました。

とはいえ、この時はまだ996の面倒をみてもらえそうなお店は見つけていませんでした。

そこで、せめてもの気分転換をと、知り合いのアライメント調整専門店に足まわりのチェックを依頼したところ、「アライメントはダンパーを交換された後にして、とりあえエンジンの調子を見てもらった方が良いんじゃないですか?」とのお言葉が。ハイ、おっしゃる通りです。

分かってはいたものの、単刀直入に要点を指摘され、動揺しまくりのワタシを見て気の毒に思ったのか、お付き合いのあるポルシェ専門店まで紹介して頂けることになりました。

●エンジン、降ろしまーす!(涙)

なんと、偶然にもそこは私の方でもお世話になりたいナと目をつけていたお店でした。工場然とした店舗敷地内には、新旧様々なタイプのポルシェがズラリ。まさに正統派ポルシェ乗りの隠れ家的な佇まいですが、店主殿のお人柄はとっても気さくで朗らか。

しかし、件のカチカチ音を聞くや、さっきまでにこやかだった表情に明らかに変化が。

「タペットだろうね。音の出所は右バンクから。この状態では症状の度合いまでは分からないけど、とりあえずオイルパンを剥ぐって、そこに金属片とか異物が混ざっているようならエンジンを降ろして分解することになるかもね」と、店主殿。

ポルシェ
摘出されたM96型エンジン。空冷時代のどデカイ冷却ファンは当然無く、シリンダーブロックも一体型となっています。それにしても、こんなに早くエンジン本体とご対面するとは。果たして、異音の原因となった内部のダメージは、どの程度のモノなのか?

この時点で、少なくとも一朝一夕では片付かない問題であることは、何となく予想がつきました。分析結果を見るまでは症状が進行しないようにと、その日は用心のためクルマをお店に預けて、徒歩+電車で帰宅しました。

そして数日後、店主殿から「オイルパンの中に金属片と樹脂のカケラが混じってたよ。たぶんメタルとテンショナーの一部だと思う。根本的な原因は、エンジンを開けて(バラして)みないと分からないね」との電話が。

トラブルの下調べでクルマを預けたつもりが、いきなり長いお別れとなってしまいました、トホホ。

いやはや、世の中、甘く無いですね。ポルシェを手に入れた喜びも束の間。購入から10回も乗らないうちにエンジン分解宣告を受けることになるとは。

というワケで、今回の教訓。

「コミコミ300万円で買って大丈夫?」という本編のサブタイトルは2回目にして早くも撃沈撤回(ホントに申し訳ありません)。

ポルシェ
エンジンが摘出され、不動状態となった車体はカバーをかけて保管。ひと回り小さく、どこか寂しそうな姿に見えるのは気のせいでしょうか?早く元気になってチョーダイ!

もちろん、ワタシ自身も最初から300万円ポッキリでオールOK!だとは思っていませんでしたが、こんな急転直下の展開が待っていたとは。

ポルシェに限らず、中古車を買う時には、やっぱり実車確認が大原則。見た目の良し悪しはパソコンの画面上でもある程度判断できるけど、音については実車で聞かなきゃ無理。

さらに言うと、素人が音を聞いてそのクルマの状態を見極めるのは極めて困難であり、信頼できる専門家に品定めをしてもらうのが、結果的としてハッピーなカーライフへの近道になると思います。

以上、当たり前過ぎる結論でスミマセン!

(続く…のか??)

高橋 陽介

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この記事の著者

高橋 陽介 近影

高橋 陽介

大分生まれ、博多育ち。幼少期にスーパーカーブームの直撃を受け、地方自動車誌を経てフリーライターに。初めての愛車は平成元年に購入したMR2。以後、スバルSVXやBMW-Z3・Mロードスターなど世間的にはマイナー扱いされている面々を乗り継ぎ、2022年、アガリの1台として私財を投げ打って996前期を購入。
車以外には「刑事コロンボ」や「マイアミバイス」、「007シリーズ」など海外ドラマや映画も大好物。
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