ステーションワゴンの代名詞、ボルボV60 T5 Inscriptionの600万円台は最適価格!【頑固一徹 和・試乗】

【頑固一徹・清水和夫、最新型の走る煉瓦「ボルボ V60 T5 Inscription」に乗る】

今回の頑固さん試乗は、【頑固一徹 和・試乗】シリーズ第2弾として2019年初頭に動画公開されたものです。試乗車は2018年秋に発売された「ボルボV60 T5 Inscription」。

ステーションワゴンの代名詞として長く愛されているボルボ・ステーションワゴンの新バージョンV60を、清水和夫さんはどう評価したのでしょうか?

ボルボV60 T5インスクリプション試乗

■600万円で手に入るとは奥さん、お安いですよ~!!

・足まわりのコツコツ感がちょっと気になるが…

さぁ、ボルボの新しいV60ですね。ボルボでは「V」はワゴン、「XC」はSUVを意味します。ボルボといえば四角い煉瓦みたいなセダンのイメージがありますが、往年のボルボファンは「V」のステーションワゴンをイメージしますね。

清水和夫のボルボ試乗

今回の試乗車は「V60 T5インスクリプション」というモデル。白い革シートにはシートヒーターやシートファンもついています。このクルマ、標準でお値段は約600万円! メルセデスの革シートでAMGラインになると700万円超えちゃうので、コッチのほうがデカくて安い!っていう感じがしますね。

40タイヤ、19インチのためゴツゴツ感あり

タイヤですが、標準は18インチなんですが今回はオプションの19インチ・40扁平タイヤを履いています。なので、ちょっとタイヤのコツコツ感が目立つかな~。ボルボのこの感じには角があるというか、リヤサスの突っ張った感じが気になりますね。

2L直4ターボのエンジン

エンジンは2Lターボでパワーは254ps、トルクは350Nm。ボルボはこの2L・4気筒ターボをベースに、スーパーチャージャーやいろいろなトッピングを組み合わせたりしています。モーター組み合わせてハイブリッドにしたり…。そんな感じでトッピングの種類か何パターンがあります。こういうやり方もありますね。

トランスミッションは横置きFFベースのトランスアクスル方式で、トルコンATの8速です。確か日本のアイシン・エィ・ダブリュ工業(株)(以下アイシンAW)の技術ですね。

ハードウェア的には8速トルコンATと2L・4気筒ターボですけど、もはや電子制御でスロットルペダルの、ドライバーの意思をくみ取って最適なギヤを選ぶという意味では、やはりソフトウエアのチューニングが凄く大事になってきます。

このソフトウエアはボルボとアイシンAWの共同作業によってチューニングされていると思いますけど、アクセルの踏んだ感じ、即座にドライバーの意思を感じてギヤダウンするとか、かえってビジーじゃないようにしておくとか。そういうところのバランスって凄く難しいんですけど、ボルボはなかなか上手く8速ATの制御もできていると思いますね。

試乗中の清水和夫

日本のサプライヤー、大したもんだと思いますね。とにかくジャーマン・プレミアムに比べて安いですからね。ただ、ボルボはかなりジャーマン・プレミアムを意識して作っているんです。でも、いいものを安く…という点では今、ボルボはジャーマン・プレミアムよりも広くユーザーに支持されているのかもしれませんね。

まぁ金出せば誰だっていいクルマ買えるよね、ではなく、最適な価格でより良いものを提供する、その急先鋒にいるのが、このボルボじゃないでしょうか。

ボルボV60 T5インスクリプションの白いシート

ン~このクルマ600万円で買えるんだったらいいな。ナビはまぁメータークラスターに出るし、高級オーディオも付いていますけど、やっぱりこの走りっぷりは乗り心地がちょっと硬くてリヤサスには少しツッパリ感があるんですけど、でも全体的には良いクルマ作ったなぁって感じがしますね。

評価ポイントはコレ

【頑固一徹 総合評価】(5段階評価)
★★★★ 11点

【頑固一徹 評価ポイント】(5段階評価)
パワートレイン:和和和和 4点
シャシー性能:和和和 3点
インターフェース:和和和和 4点

(試乗:清水和夫/アシスト:永光 やすの/取材協力・ボルボ・カー・ジャパン)

【SPECIFICATIONS】
車名:ボルボV60 T5 Inscription
ボディサイズ:全長4760mm×全幅1850mm×全高1435mm
ホイールベース:2870mm
車両重量:1700kg
エンジン:直4 DOHC直噴インタークーラー付ターボ
エンジン排気量:1968cc
最高出力:187kW(254ps)/5500rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1500~4800rpm
トランスミッション:電子制御8速AT
駆動方式:前輪駆動(FF)
サスペンション:F ダブルウイッシュボーン/R インテグラル
ブレーキ:パワーアシスト付4輪ディスク
タイヤサイズ: 235/45R18 (F/R共)
車両本体価格(税込):5,990,000円

【清水 和夫 プロフィール】
1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業

頑固一徹 和こと清水和夫氏

1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。

【頑固一徹試乗とは?】
国際モータージャーナリスト、清水和夫が斬る試乗インプレッション『頑固一徹テスト』。頑固一徹・清水和夫が独自の目線でチョイスした新型モデルを、パワートレイン、シャシー性能、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)の3分野で評価、採点し、その合計点によって5段階で評定します。

■頑固一徹 総合評価指数
1〜3点→★(評価1)
4〜6 点→★★(評価2)
7〜9点→★★★(評価3)
10〜12点→★★★★(評価4)
13〜15点→★★★★★(評価5)

■頑固一徹テスト 試乗インプレッション
評価軸(3項目)&評価ポイント
パワートレイン 5段階評価(1〜5点)
シャシー性能 5段階評価(1〜5点)
ヒューマンマシンインターフェイス 5段階評価(1〜5点)

【関連リンク】

StartYourEngines HP
https://www.startyourengines.net
国際モータージャーナリスト、清水和夫が主宰する自動車専門動画ウェブメディア。クルマの限界性能と安全性を徹底的に試すダイナミック・セイフティ・テスト(DST)を始め、国内外の新車インプレッション、注目度の高まる先進安全技術、自動運転など、クルマに関するあらゆるジャンルの動画をサイトアップしています。ぜひぜひ!チャンネル登録のうえご視聴ください。

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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