スズキ スペーシア コンセプトは愛着のある道具【東京モーターショー2017 コンセプトカー・デザイン速攻インタビュー】

東京モーターショーに出展されるコンセプトカーから、各社注目車をピックアップ。担当デザイナー氏に速攻インタビューを試みました。第7回はスズキ スペーシア コンセプトです。

── まず、今回スーツケースをモチーフに選んだ経緯から教えてください

「クルマ全体のコンセプトとして、日常のオンもオフに感じるというテーマがありました。その中で、箱型のトールワゴンのあり方を検討していたときに、ひとりのデザイナーからスーツケースという提案があったんですね」

── 具体的にはどのようなイメージですか?

「箱として立ってはいつつ、角が取れた優しいイメージもある。一方、スーツケース特有のビードは、強さの表情があって乗員が守られる表現もできると考えました」

── そのビードは特徴的ではありますが、一種のクセにもなりそうなモチーフです

「実は、初期スケッチからほぼこのままの提案だったのですが、最初は反対意見もあったんですね。やはり現行のフローティングルーフのスッキリ感と、かなりかけ離れていますので。ただ、このユニークさは残すべきだと」

── ドア上部の外付け感が特徴的です

「従来のようにピラーを黒くすると、ベルトラインから切り離されてピラーが内側に入ってしまう。このタイプではボディをより大きく見せたいというニーズがありますが、上周りを含め、ドア面を外に出すことでそれが表現できるわけです」

── 道具感の演出は、いままでのママさん向け商品とは少し異なりますね

「若いママさんでも、必要に迫られて買うのではなく、所有すること自体が楽しい、愛着が持てるクルマにしたかった。同乗している家族だけでなく、運転する本人にも楽しんでもらうクルマですね」

── 本日はありがとうございました。

(語る人)
スズキ株式会社
四輪商品・商品企画本部
四輪デザイン部 エクステリア課
課長代理 塚原聖 氏

(インタビュー:すぎもと たかよし)

【関連記事】

【東京モーターショー2017コンセプトカー・デザイン速攻インタビュー】

第1回「トヨタ Tj CRUISER」
https://clicccar.com/2017/10/26/524603/

第2回「ダイハツ COMPAGNO」
https://clicccar.com/2017/10/27/525146/

第3回「三菱 e-EVOLUTION CONCEPT」
https://clicccar.com/2017/10/29/525927/

第4回「日産 IMx」
https://clicccar.com/2017/10/31/526432/

第5回「マツダ VISION COUPE」
https://clicccar.com/2017/11/01/526769/

第6回「スバル VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」
https://clicccar.com/2017/11/03/527694/

第7回「ホンダ Urban EV Concept」
https://clicccar.com/2017/11/05/528333/

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
続きを見る
閉じる