フランクフルト・モーターショーで見た、クルマの将来 – メガサプライヤーの目指す、死亡事故と排気ガスの無い社会 -PR

9月12日の(火)の報道関係者向け「プレスデイ」で始まった「第67回IAA Cars(通称フランクフルト・モーターショー)」。およそ200km2という広大な敷地の「メッセ・フランクフルト(メッセはドイツ語で市場の意)」では、50社を超える自動車メーカーが合計300車種以上の「ワールドプレミア=世界初お披露目」を行います。

今年は、「Future now」というスローガンのもと、デジタル化、運転支援/自動運転を中心とした将来に向けたソリューションが各社から提案されています。特に地元ドイツ企業は2年ぶりのホームゲームに気合充分です。

春に横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展」において、安全、効率、自動運転というテーマで幅広い技術展示を行ったZF社も、大きなブースを構えています。今回のテーマは、「On the Road to VISION ZERO」。同社が目指す死亡事故と排気ガスゼロ=「Vision Zero」に向けた数々のソリューションが、広いスペースに展示されています。

 

まず目を引くのが、ブースの中央に置かれたスケルトンのクルマ。この「アクリルカー」には8速ハイブリッド・オートマチックトランスミッション「8HP」、連続可変減衰力コントロールダンパー「CDC」などを含むZFの最新テクノロジーがすべて搭載されていて、エンジンと車体以外のパーツは全て揃う製品ラインナップの幅広さがうかがえます。

また、最新の安全技術も搭載されています。横転時に乗員を保護する「カーテンエアバッグ for ロールオーバー」は、自動車メーカーが車種ごとに想定する様々な事故状況(シナリオ)に応じ、エアバッグの膨らむ形状を柔軟に変える事ができるとの事です。また、前面衝突時に後席の乗員を守る「セルフアダプティブ・リアシートフロントエアバッグ」は前席のシートバックに内蔵され、後席の乗員と前席との距離に応じて自動的に形状が変化する最新のプロトタイプだそうです。

その隣には、ユニークな小型車が置かれていました。3人乗りの街乗り用電気自動車には、超小型車の弱点である側面衝突に対する新しいソリューションが備えられています。新開発の4点式シートベルトとカーテンおよびサイドエアバッグによって、このセグメントの小型車としては初めて、ユーロNCAPの5つ星評価獲得が可能な構造になっているそうです。運転の自動化が進むほど、ますます重要さが増していく乗員保護システム。ZFでは、この様な安全性向上に向けたソリューションの開発を、運転支援/自動運転の技術開発と並行して行っているとの事でした。

モーターショーのオーガナイザーは、今回のメインテーマをデジタル化による自動化と「つながるクルマ」と説明しています。ZFが発表した「Car eWallet」という電子決済システムも、まさにその一例と言えるでしょう。これは、IBMのブロックチェーン技術とクラウドを活用してクルマや顧客の情報を安全なネットワークでつなげ、有料道路、駐車場、充電などの料金支払いを自動で行えるほか、スマートフォンで車両のロックを解除したり、車両メンテ履歴の管理などができる便利なシステムだそうです。

ZFの技術とノウハウで自動運転化した電気自動車「オートノマス・ピーポー&カーゴ・ムーバー = 人・物を自動で運ぶ車両」とリアルタイムで車両の運行状況をモニターできるテレマティクスシステム「オープンマティックス」を、Car eWalletと組み合わせた「ニューモビリティ・コンセプト」の提言もZFは行っていました。ニーズに合わせた移動手段を効率よく運用することで、交通量やエネルギー使用量の最適化を図り、その結果、安全性が高く排気ガスを抑えた社会ができるという未来予想図といったところでしょう。

こうした技術やソリューションの展示を通して、ZFのRoad to VISION ZERO=どうやって死亡事故と排気ガスをゼロにしていくのか、がどんな道のりか、少し理解できた気がします。

(Toru Ishikawa)

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