【ハノーバーモーターショー2018】完全自動運転トラクターのトレーラー切り離しシーン

商用車のモーターショー「IAA Commercial Vehicles (商用車)2018」、通称ハノーバーモーターショーでは、先にご紹介した見慣れない「はたらくクルマ」以外にも、バスやトラックなどの展示も行われています。

今回のテーマは「ドライビング・トゥモロー」。乗用車の世界と同様に、デジタル化・コネクテッド・自動運転・電動化といった言葉が大型バスやトラックメーカー・部品サプライヤーのブースにもあふれていました。

clicccarではモーターショーに先立って7月にご紹介した、完全自動運転の大型トラクター(=トレーラーヘッド)、「ZFイノベーション(革新)・トラック」が、会場の屋外特設エリアでデモンストレーションを行っていました。無人のトラクターがトレイラー(コンテナ)を切り離し、前方に進むのが動画でも分かります。

カメラやミリ波レーダーなどのセンサー類と「ProAI」車載コンピュータ、さらに「OPENMATICS」テレマティックスシステムを組み合わせることで自律走行が可能な大型トラック。無人のコックピットで、ステアリングが微妙に修正されているのが見えます。

物流会社のデポ(積み下ろし基地)や工場など、企業の敷地内においては、ドライバーレスで荷下ろし/積み込みスポットまで移動してコンテナを切り離したのち、新しいコンテナを連結。決められた場所に駐車するといった作業を運転手や作業員無しで行う事を可能にします。「イノベーション・トラック」は、コンテナの連結作業もドライバーレスで行います。

現在、これらの作業はドライバーが行っており、時間やコストを要するだけでなく、事故による作業員の怪我や積み荷および設備のダメージにもつながる場合があります。「イノベーション・トラック」は、そうした作業の効率化と安全性の向上を通じて、物流業界全体のコストと労働環境の改善などにも貢献できそうです。

(Toru ISHIKAWA)