【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】 第1回・マツダデザインの原点。マツダ・ユーノス500

インテリアも同一のテーマで貫かれ、ダッシュボードの流麗さやサテライトスイッチ類の先進感は、現在の視点で見ても群を抜いた作り込みです。

デザインは荒川健氏をチーフに、後にルノーに移籍した岡崎純氏、コンセプトカーの「KOERU」とまとめた小泉巌氏と、当時の若手実力派が腕を振るったといいます。

いわば、クーペ調セダンの先駆けのボディは、あのジョルジョット・ジウジアーロに「コンパクトクラスでもっとも美しいセダン」と評されました。この流麗なボディは何と5ナンバーサイズ!

当時のマツダは「ときめきのデザイン」を掲げており、ユーノス500はある意味そのコンセプトをもっとも忠実に表現していたと言えます。マツダが誇る高いモデリングの実力は、すでにこのとき確立していたのです。

 

5チャンネルは解体しましたが、ユーノス500の精神は後の会心作である初代アテンザに引き継がれます。つまり、いまをときめく魂動デザインの原点とも言えるのです。

●主要諸元 ユーノス500 20F

形式:E-CAEPE
全長:4545mm×全幅1695mm×全高1350mm
車両重量:1230kg(4AT)
ホイールベース:2610mm
エンジン:1995cc V型6気筒DOHC 24バルブ
出力:160ps/6500rpm・18.3kg-m/5500rpm

(すぎもとたかよし)

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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