今回の次期型モデルに関する基本合意で、三社の協業事業は拡大することになります。
(画像出典:東芝)
さらに、三社の協業プロジェクトでは、今後ガソリン車に限らず軽自動車EVの企画開発にも取り組むことになったことが明らかにされ、三菱の軽EV事業のなりゆきに注目が集まります。
三菱は「i-MiEV」で軽EVの分野で先行していますが、i-MiEVの一部には、東芝製のリチウム蓄電池「SCiB」を搭載したモデルがあります。このSCiB蓄電池は、大容量・長寿命・急速充電・低温耐久性が特徴で、EVに適した特性を備えています。
EVの蓄電池にSCiBを採用しているのはi-MiEVの一部モデルだけで、次世代のEV用蓄電池をめぐる話題になっています。この三菱のSCiB搭載モデルが今後の協業プロジェクトで、どうなるのか気になるところです。
今回の軽自動車事業の基本合意について三社はそれぞれ、次のようにコメントしています。まず日産自動車CCOの西川廣人氏のコメント。
次期型軽自動車から、日産自動車が開発業務により深くかかわることで、既に登録車に採用している安全・環境などの先進的な技術を、軽自動車領域にまで容易に適用拡大することができます。
次に、三菱自動車社長兼COOの相川哲郎氏のコメント。
三菱自動車にとって軽自動車は、国内販売の過半数を占める重要セグメントです。現行モデルに続き、次期型モデルも水島製作所で生産することにより、これまで三社で取り組んできた生産コストや生産効率、品質面等での改善活動を更に加速し、より競争力のある商品を提供してまいります。
最後に、NMKV社長兼CEOの遠藤淳一氏のコメント。
新しいスキームは、これまでのNMKVの取り組みが一定の成果をあげ、協業がより深化することを意味します。三菱自動車の軽開発、生産のノウハウと日産自動車の技術を融合し、プロジェクトをリードしていきたい。
(山内 博)