日産ブースが表現する現在・過去・未来とは?【東京モーターショー2013】

2013年東京モーターショーの初日に話題を集めたのは、サプライズのコンセプトカー「アイディーエックス フリーフロー」、「 アイディーエックス ニスモ」をワールドプレミアした日産でした。

ゴーンCEOが登場する前には、先日ニュルブルクリンク北コースで最速タイムを叩きだしたというGT-R NISMOのオンボード映像がカウントダウン的に流され、ゴールシーンに合わせてステージ端のガレージからGT-R NISMOが飛び出してきます。

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その後、既報の通りゴーンCEOがサプライズのコンセプトカー「アイディーエックス フリーフロー」に乗って登場したのでした。

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ジェネレーションZと呼ばれるデジタルネイティブ世代を開発のファクターとして取り込んだという、この「アイディーエックス」が、どこか懐かしさを感じさせる一方で、もう一台のメインコンセプトカーである三角翼スタイルのEV「ブレードグライダー」が発する未来感。その対比は、創立80周年という日産のヒストリーをも感じさせるものでした。

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ゴーン氏の発言にもあったように、2013年は「ダットサン」という伝統のブランドが主に新興国市場に向けたものとして復活しています。また、フルモデルチェンジしたスカイラインには「インフィニティ」のエンブレムが付いています。そしてコンセプトカー「アイディーエックス」やGT-Rの最速バージョンにつけられた「NISMO(ニスモ)」のサブネームにも注目です。ブースにはジューク、フェアレディZ、マーチのニスモバージョンが展示され、グローバルに広がるスポーティブランドへの成長を感じさせます。まるでブランドの再構築が進むことを宣言しているようなブースになっています。

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さらに、ブース周辺に置かれた 「ダットサン14ロードスター」といった歴史的車両が、80年の歴史とEVの展開など新しいジャンルへのチャレンジを示しているのも印象的です。

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まさしく温故知新によって現状打破を図ろうという意図が感じられる日産ブースでした。

 

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(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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