洞窟と同じく避暑にもなる坑道見学・鯛生金山(大分)【車中泊女子の全国縦断記】

避暑にもなる坑道見学、前回の大谷資料館に続いてもう1ヶ所、大分県日田市中津江村にある【鯛生(たいお)金山】をご紹介します。

中津江村は、2002年 FIFAワールドカップにおいてカメルーンのキャンプ地となったことで一躍脚光を浴びたのを覚えている方もいるのではないでしょうか。

道の駅【鯛生金山】と共用、物産館やレストラン、家族旅行村を併設しています。山間にあり、津江川沿いの渓谷・市ノ瀬公園では川遊びもできるなど静かで環境のいいところです。

道の駅のお食事コーナーではうどん・そばなど、鯛生金山本館休憩所2階レストランではマイナーズカレーや猪肉のボルシチ風ランチなどが味わえます。マイナーズ=坑夫をイメージし、スプーンもスコップという細かい演出も。このスコップスプーンは売店で販売しています。

鯛生金山の坑道内は、年間を通して気温14度前後。坑道や鍾乳洞などは、冬あたたかく夏すずしいのも魅力のひとつです。

山深い津江山の一角の、ここ鯛生で金鉱石が発見されたのが明治27年(1894)。東洋一の金産出量を誇り、昭和47年(1972)に閉山するまでの約80年間、黄金を求めた従事者は約三千人にものぼり、たいへん賑わったそうです。

坑道への入り口。すでに涼しい風が心地よくトンネルへと誘います。

ダンプトラックや竪坑巻上機など、現物がそのまま展示されています。

第一竪坑の深さ約200メートルのところに水面、さらに水深は約310メートルもあるといいます。「その下にも金脈があるかも知れない」と思うと、掘ることを諦めきれなかったのでしょうね。
地下孔に向かって願い事を叫ぶ『厄除け閻魔様』など変わった見せ方もあり、飽きさせません。

坑内の一角に、焼酎『黄金浪漫』が貯蔵されています。お土産コーナーで販売されているのですが、金塊風の箱に入っているのが面白い。

写真には収められなかったけどコウモリが2〜3羽くらい飛んでいました! このあとの初期採鉱ゾーンではマネキン率がアップし、説明音声に加え、マネキンの会話まで自動再生されます。しかも動くので、肝試し的な要素も加わっていっそう涼しく…。

と思いきや、薄暗い坑道がきらびやかなイルミネーションに彩られました。ヒンヤリした坑内は、まるでクリスマスシーズンのように華やかに。

「安全祈願」「家内安泰」「縁結び」の山神社が鎮座、手水もありました。そして鯛生金山のシンボル、金の鯛! 願いを籠めながら金箔を貼る『願掛け鯛』もあります。

涼しかった坑道ともお別れ、順路の最後には資料室を通ります。世界中で鯛生金山にしか生息を確認されていないという、その名も「タイオメクラゴミチビムシ」。すごいネーミングですが、正式な学名です。

ほか、世界の鉱物や、鯛生金山の模型なども展示されています。見学の所要時間は写真を撮りながらゆっくり廻って約40分でした。

【鯛生(たいお)金山】
大分県日田市中津江村合瀬3750
電話:0973-56-5316

地底博物館 入館料/大人 1,030円、中高生 820円、小学生 510円
砂金採り体験/小学生以上 620円(30分)
地底博物館+砂金採り体験セット料金/大人 1,440円、中高生 1,230円、小学生 1,030円
営業時間/3月〜11月 9:00〜17:00、12月〜2月 10:00〜16:30 ※元旦のみ休館
駐車場/乗用車130台、大型10台。EV急速充電スポット完備

子ども遊具や芝生公園など遊び場もありますので、お子様といっしょにゴールドハンティングしてみませんか。

(松本しう周己)

【関連リンク】

夏休み、子どもと一緒に遊べる避暑地といえば?
https://clicccar.com/2018/07/26/612176/

避暑地といえば鍾乳洞。高原や渓流に勝るとも劣らぬ魅力を再確認
https://clicccar.com/2018/07/27/612436/

洞窟と同じく避暑にもなる坑道見学・大谷資料館(栃木)
https://clicccar.com/2018/08/03/614860/

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
続きを見る
閉じる