冬でもハイビスカスが咲く天草ドライブコースその2・上天草(熊本)【車中泊女子の全国縦断記】

熊本出身の筆者でも「天草」とひとくくりにしてしまいますが、細かく言うと上天草市と天草市(上島・下島)を内包しています。

実は前回のスタート地点・宇土(うと)市や、今回のスタート地点・宇城(うき)市はまだ天草ではないのですが、筆者の気持ち的にはもう天草に入っているということで、ご容赦ください。

【三角(みすみ)港】
所在地:熊本県宇城市三角町三角浦

JR三角線の終着駅【三角駅】の道向かいにあり、三角〜松島〜本渡を結ぶ定期航路【天草宝島ライン】の発着所でもあります。イルカウォッチングや天草五橋クルージングが楽しめたり、レンタルボートもあるので海釣りファンも多く訪れます。

駐車場を挟んで物産館があり、新鮮な魚貝類をはじめ農作物、お惣菜などなど販売。冬でも暖かいので、花ものやフルーツがたくさん並んでいるのも特徴です。

【三角西港(みすみにしこう)】
所在地:熊本県宇城市三角町三角浦

三角港から約3km。国指定重要文化財【三角西港】は、平成27年(2015)に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」のひとつとして世界文化遺産に登録されました。

オランダ人水理工師、ローウェンホルスト・ムルドルの設計によって明治17年から明治20年(1884〜1887)にかけて造られた、宮城の野蒜港・福井の三国港と並ぶ〝明治三大築港〟の一つです。
NHKドラマ【坂の上の雲】の撮影地にもなったほど、当時の面影を遺しています。

年末に訪れた時でさえハイビスカスが咲いてました!西港の建物群は、ただ見せるだけではなくカフェなどとしても活用されています。

石造の排水路【後方水路】は山側まで813mも続いており、お散歩しているとあちらこちらに遺構を見つけることができますよ。

西港から見た、建設中の熊本天草幹線道路・新天門橋(新・天草1号橋/仮称)。

三角から天草諸島・大矢野島〜永浦島〜池島〜前島を経て上島までを結ぶ5つの橋【天草五橋(あまくさごきょう)】は昭和41年(1966)に完成しました。天草五橋を含む約15kmのルート【天草パールライン】は、日本の道100選にも選ばれています。

また、大矢野島と天草上島の間に浮かぶ大小20あまりの島々は【天草松島】と称され、宮城県の松島、長崎県の九十九島とともに【日本三大松島】に挙げられています。その景観は絵画のように素晴らしいです。くれぐれも脇見運転にご注意を!

【道の駅 上天草さんぱーる】
住所:熊本県上天草市大矢野町中15821−24
電話:0964-58-5600
駐車:普通車 119台/大型 11台/身障者 2台

天然温泉、元気海プール、レストラン併設の【スパ・タラソ天草】まで約1km。少し高台にあり、道の駅からも見えています。海に面しているので眺めも抜群です。

道の駅の物産館では、地場産の農作物や柑橘類、獲れたて魚貝類など豊富に取り揃えられています。特産の車エビはプリプリで絶品です。レストランでも海鮮丼やお刺身定食など、天草の海で穫れた海鮮料理が味わえます(写真は車エビのイメージです)。

上天草から、島原湾を眺めながら天草五橋を渡ると、上島です。自動車専用道路【松島有明道路】が開通しており、ちょうど道の駅 有明のすぐ近くが終点となっています。

【道の駅 有明】
住所:熊本県天草市有明町上津浦1955
電話:0969-53-1565
駐車:普通車 78台/大型 8台/身障者 3台

物産館、レストラン、温泉施設『有明温泉さざ波の湯』併設、目の前は海水浴場です。高台にあるので島原湾が一望できる絶好のロケーション! 夕陽スポットとしても人気です。

有明町はタコ漁が盛んで、この周辺の国道324は『タコ街道』と名付けられています。気持ち悪いほどリアル過ぎるタコのオブジェ『ありあけタコ入道』は格好の撮影スポット!

強化プラスチック製で、高さ3m/幅4.5m/奥行き2.5m、重量は888kgを〝想定して〟製作されています。記念撮影用の台も用意されているので、ひとりでもセルフタイマーで思う存分『おもしろ写真』が撮れますよ!

両端がループになっている天草瀬戸大橋(本渡ループ橋)を渡れば、下島。ゴールの牛深へは島の中央を通る国道266号線を行く方が早いのですが、今回は国道324号線を海岸線ドライブしましょう。

【富岡城跡】
住所:熊本県天草郡苓北町富岡2217
電話:0969-35-2366(富岡ビジターセンター)

富岡城は天草下島の北西、砂州で繋がった陸繋島・富岡半島の丘陵上にある梯郭式の平山城です。キリシタン弾圧による島原・天草一揆の舞台でもあります。二の丸・本丸の石垣をはじめ、櫓、高麗門などを整備し、平成17年(2005)に【熊本県富岡ビジターセンター】が本丸跡に完成、立派な勇姿が復元されました。

館内には富岡城にまつわる様々な資料と、天草の豊かな自然・海の様子などを巨大3Dスクリーンで見ることができます。

富岡城からは、巴湾(曲崎)もバッチリ見えます。真下には天然の掘・袋池、そして富岡港。中央に砂州、左側は内海である島原有明海、右側は外海である天草灘が広がっています。小さな函館のような地形ですね。

近くには富岡海水浴場、富岡海中公園展望所、四季咲岬公園、白岩崎キャンプ場などなどレジャー施設も満載です。

【天草下田 鬼海ヶ原展望所】
所在地:熊本県天草市天草町下田北(九州とるぱ下田北駐車場)

【天草夕陽八景】【日本の夕陽100選】の一つ…なのに、真っ昼間の写真ですみません。夕陽の時刻に間に合わず、翌日に撮りに戻った次第です。

下田温泉郷のすぐ近くで、浴室から夕陽を眺められるリゾートホテル【望洋閣】など日帰り入浴ができるホテルや旅館も多数あります。下田温泉は源泉掛け流しの天然温泉。環境省による【国民保養温泉地】に指定されており、泉質はまさに折り紙付きです。夕陽の絶景を眺めながら温泉で癒されればドライブの疲れも吹き飛んじゃいます。

続いて次回・ラストは国道389号線で下島の西海岸を走り、大江天主堂、崎津教会から牛深までをご案内します。

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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