隠れキリシタンの歴史をたどる天草ドライブコースその3・下天草〜牛深で伊勢えび祭り(熊本)【車中泊女子の全国縦断記】

宇土(うと)から始まった天草ドライブコース、ラストは下田温泉から天草下島の最南端・牛深を目指します。

【大江天主堂】
住所:熊本県天草市天草町大江1782

下田から国道389号線で下島の西海岸を南下すると、左手の丘の上にロマネスク様式の教会・大江天主堂(大江教会)が佇んでいます。天主堂前の駐車場は狭いので、大型車は手前の資料館【天草ロザリオ館】駐車場に停めて歩いて登って行くことをお薦めします。

ロザリオ館では隠れキリシタンの遺物を多数展示していますので、あわせてご覧ください。入館料は300円です。

大江教会は、キリスト教解禁後に天草で最も早く造られた教会で、現在の建物は昭和8年(1933)フランス人宣教師・ガルニエ神父が地元信者と協力して建立したものです。拝観は自由(月曜日は休館、日曜の礼拝時は見学不可)、内部の撮影は禁止です。

教会のすぐ下あたりに『ルルドの泉』を再現した小さな水場に、マリア様と少女ベルナデッタの像が配置されています。

ルルドとはフランスの南西部のオート=ピレネー県の小さな町で、1858年2月11日、当時14歳の少女ベルナデッタが郊外のマッサビエルの洞窟のそばで薪拾いをしているとき、聖母マリアが出現したという伝説が残っています。『ルルドの泉』は聖母マリアとされる女性がベルナデッタに教えたもので、現在も存在し、カトリック教会の巡礼地ともなっています。

【崎津(﨑津)集落とカトリック崎津教会】
住所:熊本県天草市河浦町崎津539

かなり狭い漁師町なので、手前の【﨑津資料館みなと屋】に停めて歩いて向かいます。資料館の入館は無料。12月30日〜1月1日までは休館ですが、駐車場とトイレは開いてます。

とっても小さな集落なので、教会まで10分程度です。崎津集落および漁港一帯は、日本の渚百選、日本のかおり風景100選、国の重要文化的景観にも選ばれていますので、お時間があればゆっくり散策してみてください。

崎津教会(崎津天主堂)は、昭和2年(1927)に赴任してきたフランス人司祭・ハルブ神父の希望で、かつて踏み絵が行われた庄屋宅(吉田家)跡に、昭和9年(1934)に建立されました。

教会としては全国的にも珍しい、畳敷きです。祭壇は、踏み絵が行われていたとされる場所の真上に置かれているそうです。拝観は自由(月曜日は休館、日曜の礼拝時は見学不可)、内部の撮影は禁止です。

慶安4年(1651)に建立された﨑津諏訪神社。キリシタン達は詣でる際に「あんめんりうす(アーメン デウス)」と唱えたと伝えられています。鳥居は貞亨2年(1685)のもので、現存している鳥居としては天草最古。

崎津だけにしかないお菓子【杉ようかん】。説明板【杉ようかんと琉球王使節船漂着】によると、寛政2年(1790)、徳川家斉が将軍となった祝賀で来航した琉球王使節(53人)が難破し崎津に漂着。住民に救助され、お礼に杉ようかんの製法を伝授したのだそうです。

ぱっと見カマボコのようですが、しっとりとしたお餅で包まれたこし餡が上品な甘さの餅菓子です。1個120円。崎津を訪れたなら、是非ご賞味あれ。

【牛深温泉センターやすらぎ荘】
住所:熊本県天草市久玉町内の原2193-2
電話:0969-72-6666

崎津から国道389号線〜国道266号線で牛深方面へ約20km。閑静な山間に佇む温泉旅館で、ほっこり寛げる落ち着いた空間です。日帰り入浴は大人500円、営業時間 9:00〜21:00、毎月第3火曜日は休館です。お食事処や、無料の足湯もあります。

【遠見山公園】
所在地:熊本県天草市牛深町1415

【牛深温泉センターやすらぎ荘】から約11km。牛深市街地から住宅街に入り、狭い山道を4kmほど登ると遠見山山頂(標高217m)に到着。一帯に約45万株の二ホンスイセンと19種5万本の西洋種のスイセンが咲き誇ることから「水仙公園」とも呼ばれています。

ちょうど写真の正面が西側で、もっとも眺望がよく【天草夕陽八景】のひとつにも数えられています。水仙のシーズン中は混雑が予想されるので、対向車にお気をつけください。水仙の見頃は1月から4月上旬までです。(写真は2016年末の早朝です。)

【道の駅 うしぶか海彩館】
住所:熊本県天草市牛深町2286-116
電話:0969-73-3818
駐車:普通車 51台/大型 5台/身障者 2台

【牛深温泉センターやすらぎ荘】から約8km。隣接する【三和フェリー】は牛深〜鹿児島・長島(蔵之元)間を毎日10便、片道30分で運行しています。

漁港がすぐ近くにあり、毎朝穫れたて新鮮な魚貝類が入荷します。物産館【海彩館】の巨大生け簀で購入したものは、1階の炭火焼【漁師村】や2階の【海のレストランあおさ】で食べることもできますし、その場で捌いてくれるのでお持ち帰りにも便利です。

海彩館のすぐ裏手に延びる【ハイヤ大橋】は、優美な曲線を描く全長883メートルのループ橋。橋の途中で分岐しており、下須(げす)島への分岐からランプ橋となっている珍しい造りです。夜間はライトアップされ、魚鱗のような風よけ板がまるで龍のように浮かび上がります。歩道も完備されているので、海と島を眺めながら散策するのもいいですね。

熊本市の無形民俗文化財に指定されている【牛深ハイヤ祭り】(毎年4月の第3金・土・日)では、大漁旗を掲げた漁船団が海上パレードでハイヤ大橋をくぐり、また【牛深ハイヤ節】総踊りが練り歩きます。

天草では、今年も【天草伊勢えび祭り】が開催中!

天草(本渡エリア、下田温泉エリア、牛深エリア)に宿泊して、新鮮な天然伊勢えび料理と海鮮料理が食べられる宿泊プランが、前述の下田温泉ホテル【望洋閣】や【牛深温泉センターやすらぎ荘】はじめ多くのホテル・旅館で実施中。お食事のみでもOKな施設もありますので、日帰りでも楽しめますよ。

さらに【天草伊勢えび祭り】宿泊プラン利用で、島鉄フェリー・三和フェリー・天長フェリーのいずれか往復をご利用の方は、片道車両代(5m以下)と運転手1名分が無料になるキャンペーンも!

さらにさらに、長崎港発着【高速船びっぐあーす】往復乗船券+1泊2食 伊勢えびプラン+レンタカーがセットになったプランや、福岡空港発着 天草エアラインで行く1泊2食プランなどなど、お得なプラン満載です。期間は2017年12月28日(木)まで。この機会に、暖かい冬を体感しに天草ドライブへおでかけしてはいかがでしょうか。

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
続きを見る
閉じる