自動車メーカーなどが次世代の交通手段である超小型モビリティ(EV)の欧州展開に乗り出す計画で、トヨタは2014年末からフランスで社会実験を実施、ホンダも欧州規格の認定を取得する検討に入ったそうです。
日経新聞によると、超小型モビリティの普及に向けて政府が認定制度を整備したものの、国内での本格的な事業化には尚課題が残存しており、自動車各社は制度やインフラ面で先行する欧州で実績を積んだ上で国内普及に備える方針とか。
トヨタは欧州での販売に向けて仏グルノーブル市やフランス電力公社とのコラボで3年間の実証試験を実施予定。
昨年のモーターショーに出展されて話題になった「i-ROAD(アイロード)」や一人乗りの超小型EV「COMS(コムス)」など合計約70台提供、さらに実証試験を他地域にも広げる考えと言います。
「i-ROAD」は2人乗りの3輪車で、公共交通機関の駅と近隣の目的地の間など、短距離移動用としての実用性を検証予定で、スマートフォンでの利用予約が可能なシステムなども取り入れる模様。
一方、ホンダも2人乗りの超小型EV「MC-β(エムシーベータ)」 の欧州展開を予定しており、既に昨秋から熊本県やさいたま市などで実証実験を展開中。
このように各メーカーが欧州を中心に超小型モビリティを先行展開する背景には日本より普及が見込める環境が存在している事があげられます。
日本では安全性の観点から有料道路は勿論、公道に於ける走行制限が多く、販売面でも各自治体の認定を得る必要が有り、軽自動車のようにメーカーが直接消費者に販売出来ない状況。
その点、欧州は制度面やエコカー専用道路などのインフラ整備が進んでおり、超小型EVは2輪車と同じ枠内で扱われ、ガソリンエンジンでも認定を受けられるそう。
既にルノーやメルセデス・ベンツなど欧州大手は超小型EVに参入済みと言います。
国土交通省の調べでは日本では超小型EVの普及は数千台程度に留まるものの、欧州ではEV以外も含めて3万台以上が認定を受けている模様。
こうした背景から比較的展開し易い欧州で認定を受けて東南アジアなど需要が見込める地域で先行して販売する動きも出始めているそうです。
先日ご紹介した大同工業と日本特殊陶業がベンチャー企業とのコラボで開発中の水陸両用の超小型EVについても来秋のタイでの販売に合わせて欧州規格の認定を取得するようです。
確かに現状の日本の交通状況下で一般車両に混じって超小型EVが現状の大型スクーターのように車列を縫って走り回る姿は想像しただけでも危険。
交通事故抑制の観点からも専用走行帯の設定などインフラ整備が先行すべきなのは言うまでもありません。
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