元トヨタ「COMS」の開発者が水上浮揚する小型EVを発表!

小型EVの企画・開発を手掛けるFOMM社が2月19日、大同工業、日本特殊陶業とのコラボで開発した新興国市場向けの小型EV「FOMMコンセプトOne」を発表しました。

FOMM

3月にタイで開催される「バンコク国際モーターショー2014」に出展予定で、車重は僅か460kg。車両のスリーサイズは全長2495mm×全幅1295mm×全高1550mmと軽自動車よりも小型ながらも大人4人が乗れるスペースを確保しているのが特徴。 

FOMM

このEVを開発したのはトヨタの超小型モビリティでお馴染みの「コムス(COMS)」を開発した鶴巻 日出夫氏。 その後ベンチャー企業に移籍、東南アジア担当を経て2013年2月にFOMM社を設立。 僅か1年で今回、同車の発表に漕ぎ着けたもの。  

TOYOTA_COMS

前輪にダイレクト駆動のインホイールモータを採用、エンジンルームに相当するスペースを乗員スペースに充てることで4名乗車を実現しています。 またアクセルやブレーキなどのフットペダルを排してバイク風の操作系とすることでシートレイアウトの自由度が高まり、前席を車両前部に寄せるなどの工夫も。 

バッテリーはカートリッジ方式で3セット搭載されており、容量は最大で6kWh。フル充電時の航続可能距離は約100kmを確保。 バッテリーカートリッジは取り外して家庭内での充電や非常用電源としても使用可能。 車両に直接充電する場合の所要時間は220~240Vの電源で約3時間とか。 

さらに大きな特徴は東南アジアで雨季に発生する洪水に伴う水害に対応すべく、ボートのように水上走行が可能な構造を採用している点。車両の下半分は水が浸入しない構造になっており、24時間程度水上に浮揚可能。 電気系統には防水対策が施されており、スクリュー機能を備えた前輪を使って水上走行。 

以前に「モンスター田嶋」氏が開発した「浮揚式津波対策用シェルター」の話題をお届けしましたが、この小型EVは自身で水上を移動出来るのがウリ。 

量産により30万バーツ(約100万円)以下の低価格を目標にしており、バッテリーはリース方式を予定している模様。 2015年秋以降にタイで生産・販売予定。その他の地域への展開については現時点で未定のようですが、いずれ日本でも見かける日が来るかもしれません。

■FOMM Webサイト
http://fomm.co.jp/wordpress/ 

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 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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