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■今年はどの車がベスト1に選ばれるのか? 発表は12月7日15時!
今回、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんのYouTube動画チャンネル『StartYourEnginesX』からお届けするのは、「2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー」10ベストカー試乗会です。
しかし、珍しいのは今回、清水さんは一切運転していないこと! COTY選考委員のジャーナリストさんのナビからの、助手席インプレッションというのがちょっと新鮮♪
同乗させてもらったジャーナリストさんは、吉田由美さん、飯田裕子さん、まるも亜希子さんの3名の女性ジャーナリストと、ボンちゃんこと石井昌道さん、そしてシオミンこと塩見智さんの5名。
今回の試乗は、コースインしてストレート1本、タイヤは鳴らさない、という条件。
では、今年のベスト1を予想しながら、動画をチェック!
●全日本ラリー選手権2023、ヤリスHEVでシリーズ3位、獲ったどー!
私、全日本ラリー選手権2023シリーズに年6回エントリーし、シーズン3位を獲得♪ で、JAFモータースポーツ表彰式に呼ばれました☆
昔のレオーネの時代は冬しか勝てなかったからシリーズは入れてないし、でも確か…FJ1600がシリーズ2位だったような気がする? あとはグループAのスカイライン(BNR32)とか。だから、表彰式に呼ばれるのは久しぶりです。
●COTY10ベストを助手席からインプレッションした清水和夫はどう思った?
2023年11月22日に、袖ヶ浦フォレストレースウェイで2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベスト、ノミネートされた10台の試乗会がありました。
しかし今回、私は選考委員のジャーナリストの助手席からカメラを構え、同乗インプレッション、その動画をお届けします。
今回ね、決死の助手席カメラマンだったので、ドライバーはその辺にいる…なんて言っちゃいけないんだけど(笑)、乗っていい?って感じで助手席をジャッカルして動画撮ってきました。
吉田由美さん、飯田裕子さん、まるも亜希子さんの3名の女性ジャーナリストと、石井昌道さん、そして塩見智さん。この5人の横に乗ってきました。
面白いのは、みんな運転の仕方が違うな、と。何が違うってね、みんなハンドルの切り方が微妙に違うんだよね。松竹梅は言いませんがw、乗ってて本当にリラックスできる運転もあれば、オット~!って構えちゃうような。
ドライバーって三者三様で、車も違えば人間も違う。その中でいい車って何?っていうのは、その人の乗り方によっても違う。
だから、誰がどんな車をいいと言っても、それは自分と違う意見を持っていても、決して批判しないこと。聞く耳を立ててあげるといいと思います。そこで言い合ってもしょうがない。それが人間の多様性であり、車の多様性なのです。
安全面とか燃費、環境面、そういったところは絶対的な性能として必要なので、そこは協調すべき領域なのかなと思います。
今回、天気にも恵まれた袖ヶ浦のサーキット同乗インプレ、面白かったですよ!
●BMW X1×飯田裕子「電気でもやっぱBMW感あり」
清水:さぁBMW X1で裕子ちゃんの走り! 思いっきり行ってくださいね。
飯田:私、1周目は割とゆっくり走って、2周目はワインディングを走る感じでいきます。
清水:目をつぶって乗ってても、このお尻で感じる動きがやっぱBMWだね。クッてハンドル切った時の、このヨーレートの出方とロールとG。なんか黄金比があるみたいだな。
飯田:EVになっても本当にBMWらしさってありますよね。
清水:だから、ガソリン、ディーゼル、EV乗っても、全部同じだもんね。なんでなんだろうね?
飯田:やっぱりブランドがこだわっているんじゃないですか? 自動車メーカーの作るEVだから。
清水:今のダンピングなんかエンジン車と全く同じ。重量は重いんだけどさ。
飯田:低重心感みたいなのはありますけど、ハンドルを切った時のこの出方とかは、サスペンションがよく動くBMWみたいな感じ。ハンドル切ればすっと入りますしね。
●日産セレナ×まるも亜希子「走っても気持ちいい!」
まるも:あ~~~ハハハ♪ オーバースピードで曲がり切れませんでしたw。でもコレ、スポーツモードにしたらエンジン、ちょっと元気になった。いいじゃないですか! 過重移動も気持ちいいですよ。
後席(吉田):発電をいっぱいさせるエンジン。ストレート1本だからあっという間に終わり。
後席(日産):これは新しいエンジンで、今まで1.2Lだったんですけど1.4Lに排気量アップして、直噴にして、バランサーをつけて、フライホイールとかいろいろして。
清水:シリーズに特化する内燃エンジンって、どういうところをポイントにするんですか?
後席(日産):基本的には定点運転って言って、ある一定のところで発電をずっとし続けられるので、そこの燃費をとことん良くする。
清水:目玉のとこね。
後席(日産):それとやっぱり、エンジンをかけたり止めたりが多いので、そこのところをいかにスムーズにかけるか。
●アバルト500e×吉田由美「楽しさもプラスした、今年らしいEV」
清水:電気なのに音がしてるけど?
吉田:聞こえてます? 電気自動車なんですけど、このダミーのエンジン音が!
清水:やっぱりイタリア人だな~。
吉田:しかもね、割とデカい音なんですよ。そして加速が楽しい♪っていうね。ちっちゃいから。
清水:コレ、騙されてガソリンスタンド入っちゃうね!
吉田:っていうくらい、割となんか楽しい車に仕立てられているんです。
清水:サソリ?
吉田:サソリです、電気サソリなんです。
清水:やっぱ足いいな。相変わらずダンピングがいいね。
吉田:収まりがいいですよね。だから乗っていて楽しいんです♪ しかも今、スコーピオントラックモードで走っています。
清水:ストリートモードにすると急にパフォーマンス落ちる。
吉田:ストリートモードにすると回生ブレーキが効くんですよ。だから隣にいる人は酔っちゃうかもしれない。で、スコーピオントラックモードだけ回生ブレーキが効かないですね。だから、回生いらないよっていう人は、スコーピオントラックモードにした方が。でもね、電気自動車は去年、日産サクラと三菱eKクロスEVでなんとなく広がりを見せたじゃないですか。
清水:こういう楽しいEVを作んなきゃダメだよな。
吉田:だから多分、EVは第2期に入った。
清水:おぉ~いいこと言うじゃない!
吉田:一般的にBEVを広げるのは、去年の軽の電気自動車。で、次に“楽しい”というのがキーワードになっていると思うんです。そうすると、この車は今年らしい1台かな?と、吉田由美的には思っています。
●スバル クロストレック×石田昌通「NVHをもっと上げたい」
清水:クロストレック、やっぱいいな、走り。
石田:ロールが少ないですね、足は別に硬くないのに。ココとか凄くいいと思います。トルクはあまりないですけど。
清水:ガサガサするタイヤがイヤだね。BMWとかフォルクスワーゲンはスッキリしてるじゃない。
石田:そうですね。
清水:やっぱ音、振動なんだろうな。音、振動っていうとなんかもっとこうスタティックなとこでちゃうんだけど、ダイナミックなNVH(ノイズ/バイブレーション/ハーシュネス)をもっと良くしたいよね。
石田:コーナリングしていくと、タイヤが押し付けられて余計うるさくなるような。
清水:(ドライブレコーダーのピピピに文句言ってる!)ちょっとまだ荒削りっぽいところがあるな。
石田:もうちょっとお金かけてもいいから、洗練度というか、NVH上げるといいですよね。でもやっぱり、運動性能はいいですもんね。
●三菱 デリカミニ×飯田裕子「デリカの名に恥じない足の良さ」
清水:デリカミニって、日産の共同でやってるデイズルークスから比べて、ダンパーだけを変えたんだよね? もちろん、デザインも変わっているけど。
飯田:そうですね。
清水:でもね、デザイン変えただけで相当売れてるんだって! やっぱりデザイン力ってすごいね!
飯田:やっぱり大事ですよ、車って。乗りたくなるって大事じゃないですか。走りのいい車っていう人もいるかもしれませんけどね。
清水:いやいやいや、やっぱりデザインって重要!
飯田:こういう細かいところ(駐車場内)も行けちゃうっていうところも、軽自動車のいいところですね。車自体はハイトワゴンなので、こういう左右に振られる動きはありはするんですけど、足元の安定感がすごいんですよ。
清水:ダンパーのバルブ特性を変えたのが効いてるよね。コーナーとかも背は高いけど安定してるね。
飯田:でしょ、でしょ! 隣に乗ってても安心感ありますよね、加速はあんまりだけど…。
清水:こんなもんだろ、軽は。
飯田:でもこれ、ターボなんですよ。全然、十分でした。一般道で高速走行もしましたけど。
清水:同じ場所でダンピングを見ているんだけど、悪くないね。今のダンピングもいいな。
飯田:いいですよね、しっとりちゃんと、なんかこう制御してる姿勢の感じがいいです。切り返しなんかも、沈みはあるんですけど、それがちゃんと受け止めている。
清水:ボディ剛性も上がったような気がするんだけど、やってないんだよな。
飯田:そう、やっていないんです。足だけって言ってたんですけど、いいですよね。
清水:ホンダのN-BOXも良くなったけど、デリカいいな。デリカの名に恥じないよね。
●フォルクスワーゲン ID.4×吉田由美「コイツは電気のゴルフ」
清水:ID.4です。フォルクスワーゲンの秘密兵器! 日本に導入して1年経ったんだよね。
後席(VW):2022年11月に導入しまして、おかげ様で最初の500台は即完売! そこからちょっと生産に時間かかってしまったんですけど、2023年7月あたりからお客様に納車できるようになってきました。
清水:バッテリーは何kWhあるんだっけ?
後席(VW):ネットで77kWhのプロというグレード。日本だと2グレード展開で、上級グレードのプロで77kWhの電池を積んでまして、618kmの航続距離を実現します。もう1つ下のライトというグレードは、52kWhの電池で435kmの航続距離。
清水:同じバッテリーでSOCで変えてるだけだから、重量は変わんない?
後席(VW):いや、セルの数も違うので、車単体の重量で言うと、プロよりライトのほうが200kgくらい軽いんです。
清水:え、そんなに軽いの?
後席(VW):値段もライトは514万円からで、プロが648万円から。
清水:あら、アバルトより安いじゃん! アッチはサソリ分があるんだなw。
低重心もそうなんだけど、大事なのはリヤ駆動ってこと。前後重量配分がFFよりも後ろ寄りになる。フロント駆動ってのはもう存在しえない。それに気付いてない某メーカーもあるし。これはリヤモーター/リヤ駆動だから、ポルシ911みたいなRRで、後でフロントにやるとアウディのQ4 e-tron、2モーターの4輪駆動というような感じ。
でね、オレも商品説明しちゃうと、これリアがドラムブレーキなんだよ。ドラムブレーキ、知ってる? 昔懐かしい。
吉田:はい、知っています。ドラムの方がなんか確実に止まれる。
清水:今、ユーロ7ってタイヤとブレーキダストが厳しい。だから、ドラムにして蓋しちゃった方がいい。ブレーキダストってパッドじゃなくてローターの鉄粉。だからそういうところもちゃんと見てドラムにしてるから、やるな!って感じ。今はドラムが無いから値段が高いって曙ブレーキが言ってた。”今更ドラムなんて言われたって、そんなもん高いですよ!”みたいな。
吉田:あ、そうなんだ。へえ~意外な発見。
清水:ドラムブレーキなんて昔の枯れた技術だと思ったんだけど、時代が変わって社会課題が出てくると、枯れた技術もやっぱり必要。ドラムは枯れてなかったという。
吉田:いい話ですね。見直すって大事ですね。+α、そこに何かを加えることによって、また使えるものになるとかね。
清水:やっぱりドイツ車だね。ID.4はねやっぱゴルフ。電気のゴルフ!
吉田:なるほど~。
●トヨタ プリウス×吉田由美「シュッとしたイケメンに変身」
清水:Aピラー、ここまで寝てると視界どう?
吉田:うーん、でもちょっと圧迫感があるかな?
清水:それはもう承知の佐之助…じゃないか(←承知の助!)承知の上で、こういうデザインから来てんだろうね。
吉田:ですね、デザイン寄りな感じですよね。もう見た目が全然変わっちゃって、私、街で見るとプリウスなのかクラウンなのか分かんなくて。
清水:顔が全部似ちゃってるんだよね。
吉田:そうなんですよ~。
清水:まぁそ―だね。ちょっとハンサム顔になってきた。
吉田:だいぶカッコよくなっちゃいましたよね、良くも悪くも。
清水:でも、個性っていうところではどうなんだろうな。
吉田:うーーーん…どうなんでしょうね。でも売れているんですよね、多分。
清水:売れているっていうか、買ってもなんか半年とか1年待ちじゃないの?
吉田:今までちょっとずんぐりむっくりだったイメージじゃないですか、ちょっとボテッとした。それがシュッとして全然違うコになっちゃった。プリウスがダイエットしたらこうなっちゃいました、みたいな。
清水:あれ、じゃあ由美ちゃんはプリウスに少し厳しい評価?
吉田:イヤ、そんなことないです。私、今年の本命はプリウスだと思っているんですよ。なので、ちょっと興味を持って。
清水:だから辛口の評価してると。でも、辛口は悪いことじゃないんだよ。
吉田:逆にプリウスってあんまり乗っていないから、もしかしたらおかわり試乗するかもしれない。
清水:あらら~、セレナの方が静かだな。
吉田:あぁ、結構音しますね。セレナは静かでした。
清水:今回、電動車以外の車ってデリカミニくらいだよね。やっぱパワートレーンいいね。2Lエンジンだから力ある。でもちょっと、タイヤのゴロゴロが気になるなぁ。
●マセラティ グレカーレ×塩見 智「ボクが踏んでも怖くない」
塩見:マセラティ、行ってみます! いい音!! 4気筒でもいい音しますね。
清水:お! 本気だよこれ、マジ? 足、硬いのにした方がいいんじゃない?
塩見:スポーツで行きます。オレだって行く時は行くんですよ、清水さん!『マイルド評論家』みたいに思っているかもしれませんけど。最終コーナー!
清水:なんだよ、根性ねぇなぁ。アンダー出てない?
塩見:でも扱いやすいですね、ボクでも怖さがないです。
清水:全開かよココ! マジ!?
塩見:あぁ~~~!
清水:今、ケツ流れたぞ!
塩見:足がちょっと柔らかい! もうちょっとハードなモードないすかね?
清水:そういう問題なのか!? 今、ケツ流れたの自覚できた??
塩見:できました、できました!できましたけど、流れたからって何をすればいいのか(汗)。
清水:塩見がハンドル戻すよりも先にVDC(横滑りコントロール)が働いたような気がするんだけど! え、2周目行くの? じゃ前のプリウス追っかけろよ! ちょ~っと出口アンダーっスね、お兄さん。
塩見:アクセル踏むのが早いってことですか?
清水:いや、もうちょっとクリップ(クリッピングポイント)奥だね。
塩見:クリップ奥ね、なるほど。いきなりドライビングレクチャー!
清水:ハンドル切るの早い! ほら、手前だから出口アンダーなんだよ。
塩見:これでもクリップ早いんですか?
清水:もうちょっと奥! 切り遅れだね。
●ホンダ ZR-V×石井昌通「固めの足はスポーツカー好きにも刺さる」
清水:コレ、何?
石井:ZR-Vのe:HEVの4駆です。
清水:あぁ、ホンダが今得意とするシリーズハイブリッド。
石井:4駆はあえてモーターではなくて、コンベンションなペラシャフト。それが意外といいんですよね。4駆ってフロントとリアの駆動力が同じか、リアがちょっと強いくらいがいいって、スバルや三菱は言うじゃないですか。モーター4駆をやると、後ろをかなり大きくしないといけないですよね。これだとe:HEVでメカ4駆だと、50対50にできるので、結構走りがいいんですよね。雪道もいいし。
清水:でも、なぜかZR-Vって、今まであんまり一般道でいい印象ないんだけど、乗り心地なのかな。
石井:乗り心地はちょっと固めですよね。ボク、群サイ(群馬サイクルスポーツセンター)で乗ったんですよ。あそこがベストですこの車。だから結構スポーツカーしちゃってるんですよね。でも、エンジン車の4駆が1番楽しいです、足も含めて。
清水:でも今さ、シビックよりフィットRSの方が走り、いいからな。乗り心地も。
石井:本質的にはそんなはずないんですけどね。
清水:ル・ボラン誌のDST(ダイナミックセイフティテスト)で、フィットRSはルノー・ルーテシアとほとんど同点。
石井:フィットRSは良くできました!っていう車ですね。
清水:サーキットがいいってことは、一般道ではちょっと固いんじゃないかな?ってところがあるから、そこは気にはなるところだね。
石井:そうですね、普通の人にとって。車好き、スポーツカー好きな人だったら許容する範囲なんですかね。
マセラティ・グレカーレはシオミンのドライビングレッスンみたくなっていましたねw。
ってことで、以上が今年の10ベスト試乗…かと思ったら、トヨタ・アルファード/ヴェルファイアは「撮影できなかった…」ということでご紹介できませんでした(スミマセン)。
2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー、今年のベスト1が決まるのは、2023年12月7日です。その発表の様子は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー【公式】」のYouTubeチャンネルにて15時から生配信される予定ですので、気になる方はいち早くチェックしてみましょう。
(助手席試乗解説:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)