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■重量級大型トラックの増大で高速道路のメンテナンスが課題に
24時間絶え間なく多くの車両の通行に晒されている高速道路の路面には、轍(わだち)による「わだち掘れ」や、路面にひびが入る「ひび割れ」などが発生します。
宅配サービスの発展に伴い、高速道路を利用して配送拠点間を行き来する大型トラックの増大も、路面の傷みに拍車をかけ、頻繁なメンテナンスが必要になっています。
「ひび割れ」や顕著な「わだち掘れ」が発生したまま放置すると、高速走行中にハンドルをとられて大事故に繋がる危険性があるため、効率よく路面を検査して迅速な補修作業に繋げるのが重要。
●NEXCOが投入した「ロードタイガー」とは?
その切り札として、NEXCO中日本のグループ会社、中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京が、特殊な路面性状測定車を独自開発。
「ロードタイガー(Road Tiger)」がそれで、数々の高機能を搭載しています。
ちなみに“タイガー”は「Take(捕る)」「Inspect(検査)」「Gaze(熟視」「Exact(正確)」「Rapid(迅速)を意味しているそう。
同社は経済的な道路管理と保全技術の向上に向け、1984年にロードタイガーの1号車を投入。
車両前方に搭載した投光器から54本のレーザー光を放ち、4台のCCDカメラで撮影することで路面の傷みを計測します。
車両左側面にはオプトケータ(非接触光学変位計)と加速度計を搭載しており、車体遥動変異値を補正して路面の平坦性を測定。
150kmに及ぶ高速道路の路面を、安全且つ効率的に連続撮影→解析できるそうで、一般車両が周囲を走行中でも最大100km/hまでの速度で路面状況を掌握することが可能。
こうして得られた測定データを元に、路面補修計画に反映しているそうです。
●120km/hで走行しながら路面検証が可能に
そうした中、10月6日にNEXCO中日本と中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京が、ロードタイガーのフルモデルチェンジを発表。
新型では、路面性状測定用に3Dステレオカメラを導入しており、測定時の速度域がこれまでの60~100km/hから30~120km/hへと拡大。
青色LED照明を路面に照射して、左右2台の3Dステレオカメラで撮影することにより、夜間のみならず日中でも測定可能となり、より効率的な不具合検出が可能に。
3Dステレオカメラの採用や測定データの自動処理化などで、搭乗員が3→2名体制となり、測定車両も普通運転免許で扱えるミニバンサイズになるそうで、同社では2023年11月から東名高速道路などで測定を開始するそうです。
新東名高速道路や東北自動車道の一部区間で制限速度が100→120km/hに引き上げられており、さらにはトラックの制限速度も今後80→100km/hに引き上げられる可能性があるだけに、高速道路の路面整備がますます重要に。
一般車両が周囲を走行する中、最大120km/hで路面検証が可能な新型ロードタイガーの登場は、高速道路の安全を担保する正に“頼れるタイガー”となりそうです。
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【関連リンク】
中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京㈱
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