クルマの中で危険な「車内熱中症」や脱水症状の一歩手前「かくれ脱水」に要注意!

■猛暑に注意! 体調を崩さないためにできることとは?

直射日光の強い環境では、サウナのように高温になってしまうことも
直射日光の強い環境では、車内がサウナのように高温になってしまうことも

夏休みレジャーや帰省など、夏は何かとクルマでお出かけをする機会が増えますよね。しかし、真夏の車内は温度上昇や直射日光などの影響で、人間の体にとって危険な状況になってしまうことがあります。

「JAF」の行った実験では、真夏にエンジンを停止したクルマの中の温度は、わずか30分で45度を記録し、その後もさらに上昇することがわかりました。

今回は、夏のドライブの際に注意すべき「車内熱中症」と「かくれ脱水」について解説します。正しい知識を身につけて、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。

⚫︎暑い季節になると増える事故

体温調節機能の未発達な子供を車内に置き去りにすることは非常に危険
体温調節機能の未発達な子どもを車内に置き去りにすることは非常に危険

毎年のこの時期、気をつけたいのが「車内熱中症」です。「車内熱中症」は、長い間、高温な車内にいることで発症してしまうリスクのある熱中症で、毎年悲惨なニュースが後を絶ちません。

熱中症になってしまうと頭痛や吐き気、けいれん、さらには意識障害などの症状が現れ、死亡してしまう例もあります。エアコンを積極的に活用したり、同乗者を置き去りにして長時間クルマを離れたりしないようにして、車内熱中症になる人がいないよう気をつけなければいけません。

少しでも熱中症かもしれないと感じたら、クルマから降りてすぐに涼しい環境に移動し、水と塩分を十分に補給。症状がひどい時には周囲の人に助けを求め、救急車を呼ぶことも必要です。

ショッピングセンターやパチンコ店などの駐車場で、車内に残された子どもや高齢者が熱中症になってしまうニュースをよく耳にしますよね。「JAF」が行ったアンケート調査でも、全体の54.9%が子どもを残してクルマを離れたことがあると回答しています。

また、エンジンをかけてエアコンを効かせておけば大丈夫かといえば、そんなことはありません。子どもがスイッチ類を勝手に操作してエアコンを切ってしまう、またはガス欠や突然の故障によって勝手に切れてしまうこともあります。

⚫︎ペットも熱中症リスクに注意

最近ではクルマに犬を乗せてドライブする人も増えましたね。窓から顔を出して気持ちよさそうに風に当たっている犬はとても可愛らしいです。しかし、クルマに残すことで熱中症リスクがあるのはペットも同じです。

犬の平熱は37〜39度で人間よりも高めですが、肉球にしか汗腺が無いためほぼ汗をかくことができず、体温調節はハァハァ息をすることででしかできず苦手です。また車内では水分補給もしにくく、脱水症状のリスクも高まります。

適度に停まり、地面の熱くない車外へ出してあげ、水分補給や用足しなどもしてあげながら、目的地に向かうようにしたほうがいいでしょう。

⚫︎運転中のドライバー自身も要注意「かくれ脱水」

運転中にいつの間にか水分不足になってしまい、気付かぬうちに脱水症状一歩手前になってしまう「かくれ脱水」にも注意が必要です。

渋滞中や高速道路を運転する際は、すぐにトイレに行けないため水分補給を控えめにしている人もいるかもしれません。しかし、それが「かくれ脱水」の原因になってしまうことがあります。

エアコンを効かせている車内は空気が乾燥しますし、眠気覚ましのために飲むコーヒーやお茶には利尿作用があります。このような状況でトイレ行きを気にして水分補給を怠ってしまうと「かくれ脱水」になり、頭がボーっとする、集中力が途切れるなど、運転に支障をきたす症状が現れることがあります。

事故を起こさないためにも水分、塩分を意識的に補給して、かくれ脱水には十分注意が必要です。

また、かくれ脱水になってしまったと感じた時は、完全な脱水症状になってしまう前に、少しでも早く水分補給をすることが大切です。脱水になる前も、万が一なってしまった後も、大切なのは水分、塩分補給であることを覚えておきましょう。

⚫︎暑さへの備えと健康管理

水筒などを利用して適宜水分補給をすることが肝心
水筒などを利用して適宜水分補給をすることが肝心

熱中症やかくれ脱水には、事前の対策が重要です。子どもや高齢者、ペットを車内に放置しないのはもちろんのこと、ドライバー自身も水分をしっかり補給して、適度に休憩を取るようにしましょう。普段から睡眠や栄養をしっかり取り、体調を整えておくことも大切です。

また、駐車する際はサンシェードを利用する、できるだけ日陰を選ぶなどして、暑さへの対策をしましょう。情報収集も大切です。とくに気温が上がる日には、政府から「熱中症アラート」が都道府県ごとに発表されるので、不要不急の外出は控えることも考えたほうがいいですね。

⚫︎まとめ

「車内熱中症」と「かくれ脱水」について解説しました。どちらも大切な家族や自分自身の命に係わる重要なことです。正しい知識を身につけて、安全で楽しいカーライフを送りましょう。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])

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