パトカーや白バイだけじゃない!なかなか見られないレアな警察車両を調べてみた

■警察車両はパトカーや白バイだけではない

警察車両と聞くと、まず「パトカー」や「白バイ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ドライブや散歩で周辺を移動していると、だいたい1回は見かけるといっても過言ではない身近な存在です。

定期的に巡回をおこない市民の安心と安全を守っているパトカー
定期的に巡回をおこない市民の安心と安全を守っているパトカー

しかし、市民の安全や安心を守る警察は、事故や事件だけでなく、災害や救助などにも対応しており、さまざまな役割を担うクルマを持っています。

なかには幅広い現場で活躍する車両もあるため、はっきりと事故用・警備用・災害用などと分けることができないこともありますが、主なシーン別にパトカーや白バイ以外の警察車両を紹介していきます。

●事故が起きたときに活躍する警察車両

まず、交通事故現場に駆けつけ、捜査などをおこなうのが「交通事故処理車」や「事故捜査車」などです。

昨年は、なんと約30万件の交通事故が発生している…
昨年は、なんと約30万件の交通事故が発生している…

昨年の2022年は約30万件の交通事故が発生しており、そのうち死亡事故件数は2550件です。こういった事故現場に駆け付け、証拠を集めて、事故の原因追及をおこないます。

事故に遭って乗れなくなってしまったクルマは「レッカー車」で運ばれます。このレッカー車は違法駐車していたクルマを撤去するときにも使用され、移動や保管などに要した費用は、クルマの運転者や使用者などの負担となります。

そのほか、めずらしい警察車両ですが、爆発物がある可能性が潜んでいる場合、「爆発物処理車」が使用されます。

また、東日本大震災時に発生した原発事故では、放射能や有毒な化学剤、ガスに対応できる「化学防護車」や、施設を冷却するために「高圧放水車」が出動しました。

化学防護車は、主に陸上自衛隊に配備されている偵察車両のひとつですが、警察車両としても保管されているようです。また、高圧放水車は、基本的には主に暴徒化した集団などを制圧するために使用される警察車両です。

●警備に役立つ警察車両

警備に関しては「常駐警備車」や「小型警備車」などが主な役割を担います。そのほか、街で見かけるものとしては「自転車」や「原動機付自転車」があり、クルマが通れない場所や細い道で活躍し、市民の安全な暮らしを守っています。

あまり見慣れないものとしては「移動交番車」があり、市民が多く集まる場所などにクルマを止めて、市民からの相談を聞いたり、街のパトロールをしたりして交番と変わらない役割を担っています。

●災害時に活躍する警察車両

災害発生地などで現場の指揮を円滑におこなうために使用するのが「現場指揮官車」です。クルマの中から周囲に指示を出せるよう、大きな拡声器が付いています。

そのほか、災害に遭った人を助ける「レスキュー車」や「高機能救助車」だけでなく、「大型輸送車」なども活躍します。

高機能救助車は、普通のクルマが走れない場所も走行可能なため、災害現場などで救助活動をおこないます。さらに、災害現場によっては「動力ショベル車」も出動します。

また、「震災対応用活動車」や「災害対策車」、あるいは「投光車」も出動します。投光車は、災害が発生したり夜間に事件や交通事故が発生したりした場合、現場を明るくして救助活動などの警察官の活動を助けるものです。

●海・空・雪山に出動する警察車両

最近では雪山で遭難してしまった男性をヘリコプターで上空から発見、救助したケースがある
最近では雪山で遭難してしまった男性をヘリコプターで上空から発見、救助したケースがある

海や空の警備や護衛などというと、自衛隊をイメージする人もいるかもしれませんが、警察が管轄する「警察用舟艇」や「ヘリコプター」もあります。

警察用舟艇は、船を使って外国から法律で禁止されているものを運び込んだり、パスポートを持たずに日本に入国しようとしたりする人を取り締まり、海の事故を防ぐためにパトロールをしたり、救助したりする活動もおこなっています。

ヘリコプターは空のパトロールをし、海や川で事故に遭った人を空から探したり救助したりします。また、クルマで逃走する犯人を空から追跡することもあります。

そのほか雪山では「雪上車」や「スノーモービル」が活躍し、もしもの山岳遭難に備えています。

このように、パトカーや白バイ以外にも多くの警察車両があり、事故や災害が起きたときなどに市民を守ってくれます。少し変わったクルマだな、と思ったら警察車両だったということもあるかもしれませんね。

(鈴木遼太[ピーコックブルー])

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