新型三菱アウトランダーPHEVは、カーボンニュートラル時代の4番バッター!

■清水和夫が新型アウトランダーPHEVをサーキットで全開食らわしてみた

清水和夫×アウトランダーPHEV
国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが新型アウトランダーPHEVをチェック!

話題の三菱自動車・新型アウトランダーPHEVのプロトタイプ試乗会にやってきた、国際モータージャーナリストの清水和夫さん。お召し物が試乗車のインテリアとカラーコーディネートされているようです。

新型アウトランダーPHEV
新型アウトランダーPHEV(プロトタイプ)をサーキットで試してみた

世の中のBEV移行への流れには一家言ある清水さん。インプレッションは、まずその辺りから始まっています。では、動画を見ていきましょう。

●「欧州のようなハイブリッド技術の無いプラグインは、クリープを入れないコーヒー」by清水和夫

いや~やっぱり時代はプラグインだね。普段のお買い物だったらエンジンかけないで済みます。

新型アウトランダーPHEVのエンジン
新型アウトランダーPHEVのエンジンは、ただのエンジンではなくハイブリッドということが大事な部分

アウトランダーPHEVはもちろんプラグインなんだけど、重要なのは、バッテリーだけで走っているときはEVで、エンジンがかかるとこのエンジンそのものが、実はハイブリッドだということ。

ヨーロッパのプラグインっていうのは、バッテリーが無くなってエンジンがかかると、単なるエンジン。やっぱりハイブリッド技術が無いと辛いんだよね。ハイブリッド技術の無いプラグインは『クリープの入っていないコーヒー』(The昭和!笑)みたいな感じ。

日本はトヨタ、ホンダがお互いパテントをかいくぐって作ったストロングハイブリッドの、三菱は更にその隙間でストロングハイブリッドを出したので、今のところこのトヨタ、ホンダ、三菱の3メーカーが、世界でもストロングハイブリッドの成功者。

新型アウトランダーPHEV
新型アウトランダーPHEVのボディサイズ

一時、GMも作ってメルセデスとBMWに提供したりしてたんだけど、やっぱりドイツのサプライヤーがあまりそこに馴染まなかったので、すぐに止めてしまいましたよね。

だからヨーロッパの場合、選択肢がバッテリーEVしかないんだよな。日本にはハイブリッドがあるから、ハイブリッドベースのプラグインが作れる。

ということで、カーボンニュートラルの時代、どう考えてもこのクルマが4番バッターだな。

●ドライブモードを試してみた

新型アウトランダーPHEVのドライブセレクト
ドライブモードはココで選択

サーキットのコースで乗った感覚で言いますね。

【ノーマル】
あらら。静かで凄くイイね。ステアリングも軽めでしなやか。

【ターマック】
ターマックだとやっぱりリヤの駆動トルクを増やし…そう、フロントを弱めてアンダーを出ないようにしているのかな。

グラベル走行時
こんな風景が良く似合う新型アウトランダーPHEV

【グラベル】
こりゃいいね! まぁココはサーキットなので舗装路(ターマック)だけど、実際にグラベルだともうちょっと前後のトルク配分が50:50に近づくのかな。フロントの駆動トルクを増やすってことですね。

スノー
新型アウトランダーPHEVで冬の北海道一周ドライブ!とかしてみたいねぇ

【スノー】
スノーはね、やっぱり滑らないように全体的に出力制限をするか、アクセルに対するトルクの出しかたを穏やかにする。

【マッド】
マッドはどーなんだろ? もっと低速でガツガツッと、ある程度スリップ率を共用しながら行くのかな。

【パワー】
パワーだと応答性が違うな。アクセル踏んでガバッといきますね。でももうちょっとサスを固めてもいいかもね。

●昔のS耐・四駆対決では「インプ 清水和夫 VS. ランエボ 中谷明彦」だったね~

三菱の得意とするS-AWC(Super All Wheel Control)、オールホイールコントロールですね。AWDとはいわずに、AWC。

新型アウトランダーPHEVのコクピット
まるでメルセデスかアウディに乗っている気にさせる新型アウトランダーPHEVのコクピット。よく作ったね!

コテコテのオフロード四駆の技術と、三菱のランエボみたいにサーキットでのハイスピードでの四駆技術、そういう意味ではむしろスバルよりも三菱のほうが制御を使いながら多様な四駆システムを持っています。

スバルはねぇ、電気があまり得意じゃなかったから、どちらかといえば基本性能で勝負。N1耐久(現:スーパー耐久)ではインプレッサ VS. ランエボ、私がインプ乗って後輩の中谷明彦クンがランエボ乗っていました(※ジャーナリストの中谷明彦さんは、清水さんの大学の後輩でもあるんです!)。

スバルの戦うところは基本性能。三菱は電子制御の飛び道具で運動性能を上げていたんだよね。ちょっと羨ましいナ…と思っていたときもありましたけど、2車、まったく違う武器で戦っていましたね。

●サーキットでも全開でイケるアウトランダーPHEV

清水和夫×新型アウトランダーPHEV
ヨシ、全開!

ここ全開で行けるかな?
おっと~!
おぉ~いいね!!

実際、ナンバー付きで公道を走れるのは2022年の1月くらいと言われていますから、ぜひ北海道一周とかしてみたいね。

ちょっと1周だけ全開で走っちゃお!

ステアリングはどうもアステモではなくてジェイテクトらしいですね。ダブルピニオンのラックのところで制御すると。

おぉ~。いや~サスがしなやかだな。でも、もうちょっとロール方向のダンピングがよくてもいいけどね。

ここ、全開ちゃん!
わぁ~いけたね。もうちょっとスポーツモードの時にはサスを固めてもいいかもね。

大満足ですね。これが400万円~500万円台で買えるんだからね。三菱はけっこういいタマ持っているよね。


清水和夫さんの全てのインプレッションは動画でドーゾ!

(試乗インプレッション:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

新型アウトランダーPHEVの主なスペック
新型アウトランダーPHEVの主なスペック

【SPECIFICATIONS】
車名:三菱 アウトランダーPHEV P(試乗モデル)
全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm
ホイールベース:2705mm
トレッド F/R:1595/1600mm
車両重量:2110kg
最小回転半径:5.5m
乗車定員:7名
エンジン:2.4L 直列4気筒DOHC 16バルブ
総排気量:2359cc
ボア×ストローク:88.0×97.0mm
最高出力:98kW/5000rpm
最大トルク:195Nm/4300rpm
燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:56L
モーター最高出力 F/R:85kW/100kW
モーター最大トルク F/R:255Nm/195Nm
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
総電圧:350V
総電力量:20kWh
サスペンション F/R:マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ F/R共:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ F/R共:255/45R20 101W
車両本体価格:P(7人乗り) 5,320,700円/G(7人乗り)4,996,200円/G(5人乗り)4,904,900円/M(5人乗り)4,621,100円

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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

三菱自動車 アウトランダーPHEV
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/outlander_phev/special/

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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