下山テストコースで鍛えたレクサスIS300hを下山で徹底試乗!ボルト化されたホイール締結が高ポイント!by清水和夫【SYE_X】

■ミニサイズのニュルブルクリンク、下山テストコースでクルマもテスターも鍛える

●重量級のIS300hは路面を捉えるハンドリングの良さが光る

レクサスIS300h
レクサスIS300hをトヨタ・テクニカルセンター・下山で試乗です。

ビッグマイナーチェンジでかなり生まれ変わったとされるレクサスISシリーズ。前回のIS350試乗に続き、今回はハイブリッド版のIS300hを、出来立てホヤホヤのトヨタ・テクニカルセンター・下山で徹底試乗した国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。

ドイツ・ニュルブルクリンクのミニ版ともいえ、過酷な悪路再現もされている下山テストコースで、重量級のIS300hはどんなパフォーマンスを見せたのでしょうか?

●ABSはガソリン車よりハイブリッドのほうがイイ仕事してる!

レクサスIS300h
レクサスIS300h。同時に試乗したIS350やIS300と見た目は変わりなし。

レクサスIS300h、ハイブリッドです。パワートレーン的には重量があるので、そのへんどうなのかな?

おぉ、意外としっかり走る! 今までハイブリッドというと燃費のためのパワートレーンというイメージでしたが、ここ下山テストコースで鍛えられたIS300hは、パワートレーンの内臓…エンジン、トランスミッション、このへんにモーターを持っていますから重量的には重たいんですが。

レクサスIS300
ガソリン車と比べてハイブリッドは重量級! それがかえってNVHはいいのかも(画像はIS300)。
IS300hのリヤビュー
IS300hのリヤビュー。艶めかしい。

やはりエンジン車とはちょっと違って、登りになるとトランスミッションが電気的なCVTになっているので、エンジン回転が一定なCVTっぽく加速していきます。が、十分にパフォーマンスは高いですね。アップダウンで飛んだり跳ねたり、左右前後Gが加わっても変な挙動は無いです。

ただ、ハイブリッドというパワートレーンの性格上、100km/h以上のパフォーマンスではエンジン車のほうが有利。でも、それ以下のハンドリングはIS300hも悪くないし、重量があるのでNVH(騒音・振動・ハーシュネス[路面の凹凸による突き上げなど])なんかは得意じゃないかな。ウン、路面の悪いところを走っても悪くないですね。

さてジャンピングポイントだよ~。
フォ~!!
フフッ(ハート)!

お! ABSはハイブリッドのほうがいいですね。エンジン車はジャンプしたあとにちょっとABSが入っちゃうことがありましたが、このバイワイヤーブレーキのABSはペダル振動が無いのですが、ブレーキ性能の減速Gの大きいところはいいですね。これは意外な発見!

●今後のレクサスはミニ・ニュル、トヨタ・テクニカルセンター・下山で過酷な開発テストが行われる

清水さんと小林さん
レクサス製品企画 主査 小林直樹さんと下山トーク。

試乗を終えた清水さん。レクサス製品企画 主査 小林直樹さんと下山トークです。

レクサスとして初めて下山テストコースで初めて開発されたのが、ISシリーズ。下山と東富士のテストコースを併用して開発されているそうです。

トヨタ・テクニカルセンター・下山
トヨタ・テクニカルセンター・下山はただモノではない!!

「このコース、ニュルよりヤバイ! 前後左右、それに上下にストレスが加わる。上下なんか斜めにも飛んでいくんですよ。その状態でブレーキングしたり。下山で走ると、クルマには今までにないストレスがかかりますね」(清水)。

「なので気付かされることも多いんです」(小林)。

前回、ISシリーズのプロトタイプを袖ケ浦フォレストレースウェイで試乗した際、、ホイールの締結部をナットからボルトへ変更されたことを動画でも語っていた清水さん&小林さん。

下山テストコース
このアングルで見ると路面の凹凸がスゴイ!

「ホイールとハブとをしっかり締結させるために、ボルト化+ボルトサイズを上げています。これによりハブとホイールがピタッとなり、剛性が上がります」(小林)。

「ステアリングに対して正確にタイヤが動けるので、路面からの力も正確にフィードバックされる。それがISの重要なポイントのひとつですね!」(清水)

「セダンは売れない? でも日常的に大人4人が乗れて、いざとなればスポーツカーのように走れる。セダンは自動車のベースだよね」(清水)。

清水和夫さん&小林直樹さんのおふたりによるトークは必聴!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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