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●ランエボは壊れにくいがAYCには注意が必要
では、それ以前のモデルでトラブルになると考えられる部分はどこでしょうか。
「基本的にランエボは壊れにくいクルマです。オイル管理されていれば4G63エンジンは15万キロ以上走っていても問題ないほど丈夫です。それよりもAYCがトラブルになりやすいです」と、ランエボIVから採用されたヨー・コントロール機構を備えるリヤデフに注意するよう教えられました。走行距離が伸びるうちに内部のギア同士がズレてしまい、走れば誰でもわかるくらいの異音が出るとのことです。ディーラーではAYCをリセットすることが可能なようですので、トラブルになった場合はディーラーに相談するといいようです。このAYCはランエボVIIIでスーパーAYCに進化します。これ以降はトラブルになる確率も下がるそうです。
またランエボVやVIで車高を下げ過ぎているのも要注意です。ドライブシャフトが破損するトラブルが多いそうです。さらにリサーキュレーションバルブにも注意が必要です。ランエボVIIまでは素材に樹脂が採用されていますので、経年劣化により割れてしまうケースがあります。するとタービンに排圧が掛からなくなってブーストが上がらなくなります。古い年式だと避けられない部分でもあります。
こうしたことを踏まえて、荒井店長は「購入される前に、ある程度の知識を身につけて欲しいです。今だったらネットの動画などで勉強できますから。壊れやすいメジャーなポイントもわかっていますので、事前に対策を打つことも可能です」とのことです。
ランエボファンの荒井店長によれば「納車整備でトラブルになるポイントは対策してお渡ししています。納車後にトラブルになるのはこちらも避けたいですので、明白なポイントに関しては部品交換をしてしまいます」と、やはり専門店ならではのノウハウが発揮されています。
●今後もランエボの相場が上がるのは確実。買うなら今!
では気になる今後の相場動向ですが、荒井店長はどのように推測しているのでしょう。
「ランエボに限らずですが、国産スポーツカーの相場は確実に上がっています。これは今後も変わらないことでしょう。私がここの店長になって5年ですが、その間販売する車種のラインナップは変わらりません。同じ車種ですから当然、相場は上がり続けます」ということで、絶版の国産スポーツカーは確実に相場を上げ続けるとの予測です。
ランエボはどうなのでしょうか。「そもそもWRCに向けて作られたクルマで、輸出もされています。スカイラインGT-Rなどのように海外からの引き合いで相場が上がることは考えにくいです。しかし、最近では免許を取ったばかりの若年層が数多く買いに来ていますので、国内での人気は今後に続くと思われます。相場が上がらない理由は見当たりません」。
相場は今後も確実に上がると考えられています。特に注目したいのは、10代や20代前半の人が買いに来ていることです。小学生や中学生時代、マンガやラリー、レースを見て憧れたクルマに乗ろうと頑張っているのです。若者のクルマ離れという言葉が流行しましたが、どうやらそれも過去のことのようです。
こうした動向を見据えて、GT-Garage@Gulliverさんでは「スポーツカー体験&撮影会」を毎月開催されています(https://gt-garage.221616.com/event_201908/)。荒井店長の「若い人にこそスポーツカーに乗っていただきたいです。見ているだけでスポーツカーはわかりません。乗って感じて欲しいのです。ですので、免許のない高校生がお父さんと一緒に来ることもあります」と、スポーツカー伝道師のように熱く語ってくれました。
結論として、ランサーエボリューションの中古車は現在ランエボVからVIIIまでがお買い得のようです。ランエボIXはすでに相場が上がりきった感はありますが、IVやVII、VIIIは相場が低い分これから上がることが予想されます。人気のVやVIもまだまだ上がる可能性があります。だとするなら、今のうちに買っておくといい車種がランエボであると言えるかもしれません。