エンジンの魅力だけじゃない。ロングドライブで分かったボルボ・XC60 D4の無敵っぷり

この乗り心地のよさとともに、帰路の高速で絶大な力を発揮したのが、アダプティブ・クルーズ・コントロールやパイロット・アシストといった運転支援システムです。XC60では加減速や車線保持の制御がいっそう緻密になり、東北道ではほとんど主体的な操作を行わなかったほどです。

長距離ドライブでは、路面や他車を絶えず監視し、ステアリングやアクセル、ブレーキを操作し続けることが激しいストレスとなります。XC60の運転支援環境はこうしたストレスの低減に圧倒的な効果を持つことを、身をもって学びました。

XC60 D4の優れた点はいろいろあります。しかし筆者が圧倒されたのはそういった個々の機能よりも、それらが協調しあい、「長距離を快適に走るクルマ」として圧倒的なまとまりを見せている点でした。視点の高さ、ステアリングのギア比、乗り心地、ドライバーを助ける電子デバイス、800kmを走れる足の長さ、そしてなによりトルクフルなディーゼルエンジン。これらが響きあって生まれるものすごい完成度。

その完成度が気になった人は、一度ディーラーへ試乗に出かけてみるのも悪くないかもしれません。

(文:角田伸幸/写真:平野 学)

この記事の著者

角田伸幸 近影

角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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