【週刊クルマのミライ】日産・ノートに前後独立モーターの4WDが追加。シンプルな直流モーターを採用した理由とは?

2018年の上半期(1~6月)に日本国内で7万3380台を売った日産・ノート。日産車としては1970年のサニー以来となる半期での国内登録車ナンバーワンの座につきました。2位のトヨタ・アクアの同期販売が6万6144台ですから圧倒的な差をつけてのトップといえます。日産のMクラスミニバンであるセレナも上半期で5万6095台を売り、登録車ランキングで4位、もちろんミニバンナンバーワンとなっています。

こうした好調な売り上げには、ノートとセレナがともに採用している「e-POWER」が商品力を高めていることが見逃せません。電動車両ならではのスムースで力強い加速を、シリーズハイブリッドという仕組みを使うことで、身近な存在にしたことが両車の好調につながっているといえます。

そんなノートe-POWERに待望の4WDが追加されました。前輪を電気駆動するe-POWERに後輪専用モーターを組み合わせたモーターアシスト式の4WDです。

後輪専用モーターを使ったパートタイム4WDは、じつは珍しくありません。トヨタのプリウスやアルファード/ヴェルファイアの4WDや、三菱・アウトランダーPHEVは前後独立モーターとなっていますし、非ハイブリッドモデルであっても日産のお家芸ともいえる「e・4WD」という4WDシステムがマーチなどに採用されてきたことを覚えているファンも少なくないのではないでしょうか? ノートのガソリン車にはすでにモーターアシスト式4WDがラインナップされています。

日産のモーターアシスト式4WDが採用するコンパクトな直流モーターは、さほどチカラはありませんが、発進時だけに限って4WD化すると割り切りことで、プロペラシャフトを廃することができ、キャビンスペースを犠牲にしないことがメリットのひとつ。また速度が乗ってくると自動的に2WDとなるため、燃費面でも有利なシステムです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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