2030年に30車種 1万店! インド市場におけるスズキ会長の壮大な野望とは?

インド市場に進出して36年が経過、毎年9%の伸びで成長する同市場において、2018年3月期に165万台を販売するなど、50%超のシェアを確保しているスズキ。

インド市場は同社における国別売上高で日本を抑え、3年連続トップになっており、部品の現地生産率も90%を超えているそうです。同市場がこのペースで成長を続けた場合、現在320万台/年の新車市場が2030年に1,000万台の大台に乗る模様。

そうした中、日経新聞によるとスズキの鈴木修会長(88)は今後もインドでシェア50%を維持し、2030年に500万台/年の新車販売を目指しているそうで、そのうち30%の150万台をEVにしたいと考えているそうです。

一国の市場で500万台/年という新車販売台数は、トヨタ自動車の米国における販売台数240万台、日本国内160万台と比較しても大規模なもの。

同社のインド市場を担うマルチ・スズキでは現在16車種を販売、2,600店舗以上を展開しているそうですが、鈴木会長の考えでは2030年に30車種、1万店、人員については販売員を12万人、整備士を10万人とそれぞれ3倍程度にまで増やす計画とか。

米トランプ大統領による輸入車への追加関税が話題になるなか、40年近く前に米・中国ではなく、インド市場にターゲットを定めたスズキ。会長曰く「将来の姿から現在を見るという逆発想への転換が必要」としており、そうした発想力が現在のスズキを支えているようです。

Avanti Yasunori・画像:SUZUKI)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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