トランプ大統領による輸入車への追加関税(+25%)の真の目的は?

米・自動車研究センターの統計によると、昨年度の米国における自動車の国内生産比率は56%、輸入車の比率が44%で、輸入先としては日本、カナダ、メキシコがそれぞれ11%ずつを占めており、ドイツ、韓国がそれに続いています。

そうしたなか、米トランプ政権が先頃、鉄鋼製品・アルミニウム製品に対する追加関税に続く新たな自動車輸入関税の追加(+25%)を検討していることが判明し、日本の自動車業界に大きな衝撃を与えました。

トランプ政権は通商拡大法232条に基づき、自動車や自動車部品の輸入増が安全保障上の脅威になっているかどうか調査を開始。米商務省が本件に関する意見を募集しており、内外の業界団体や企業が意見書を提出。

日本政府は「日米の貿易関係は米経済に貢献し、安全保障上の障害になったことは無い」として、自動車への追加課税に反対するコメントを6月29日に提出しました。

自動車や部品に貿易制限措置が導入されれば、米自動車産業の基盤を崩し、世界経済や自由貿易体制にもマイナスの影響をもたらすとしており、その上で米商務省には「懸念を現実化させることが無いように望む」とコメントしています。

日本自動車工業会や日本自動車部品工業会も「追加関税は米経済に深刻な影響を与え、米自動車生産が落ち込む可能性もあり、雇用減に繋がりかねない」と指摘。

メーカーでは、トヨタ自動車が6月27日に「米国で現地生産する主力セダン カムリの生産コストが1台あたり1,800ドル(約20万円)上昇し、消費者負担になる」とする課税への反対声明を発表。

また、米自動車工業会では450億ドル/年の消費者負担増になると試算しており、米商工会議所も「各国の制裁関税を招く」として米雇用に悪影響を予想するなど、米国内外の企業・団体が批判を強めている模様。

一方のEU(欧州連合)は米国への対抗措置として、鉄鋼製品やハーレーダビッドソン製オートバイ、ウイスキーなど約3,600億円規模の米国からの輸入品に報復関税を発動しました。

170万台/年の自動車を輸出するなど、米国は日本にとって中国に次ぐ世界第2位の市場だけに、今後の動向が注視される反面、11月の中間選挙で支持を得るためのトランプ氏のパフォーマンスとの見方もあるなど、政策の背景が不透明なことや、通商拡大法232条を盾に輸入車への追加課税に踏み切ったとしても、その発動には約1年を要することから、この先もしばらく憂慮期間が続くことになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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