チバニアンへドライブするなら「○○のいない」ゴールデンウィーク後半戦がオススメ

理由は後述しますが、チバニアンをじっくり観たいなら、実はこのGWの後半がオススメなのです。もしまだGW後半の計画が決まっていないのならば、チバニアンへのドライブ、いかがでしょうか。

昨年の秋、その名前がニュースになった「チバニアン」。地球の歴史を刻む場所として国際的な模式地に申請されており、今年中にも正式に認定されるかも、といわれています。

さてチバニアン、なにがそんなにスゴイのでしょうか。地質学の分野のおハナシになりますが、説明していきます。

ことは磁力のお話です。皆さんご存知の通り、コンパスの針は北を示します。北がN極で南がS極となっているのを教わったのは小学校3年生くらいだったでしょうか。

しかし実は、このN極とS極、数10万年〜100万年単位で、入れ替わりを繰り返しているコトがわかっています。

つまり、その昔(コンパスがあるとしたら)、N極が南、S極が北を示していた時期があったのです。現代とは磁極の方向が反対になるので、これを逆磁極期と呼び、今の方向を正磁極と呼びます。この磁極の逆転がイチバン最後に起こったのが77万年前。

この77万年前を、地球の歴史を示す地質年代の境界とすることになり、世界的にその境界がよくわかる場所(模式地)選びが始まりました。その候補として手を上げたのが、千葉県市原市のチバニアンと呼ばれている場所です。

チバニアンというのは、本当は場所の名前ではなく地質年代の名前なのです(候補地は「千葉セクション」と呼ばれています)。たとえば恐竜時代、中生代の白亜紀やジュラ紀などがおなじみですが、もっと新しく、そして細かい年代です。

新生代 第四紀 更新世 中期。

この中期と呼ばれているところを、その模式地である千葉に由来した名前、チバニアンと名付けようというワケなのです。もし、国際的な地質学の組織である国際地質科学連合で、前期・中期更新世の境界の国際標準模式地(GSSP)となると……「新生代 第四紀 更新世 チバニアン」と呼ばれることになります。

もし正式に決まれば、日本国内ではチバニアンが初、という快挙なのです。

この記事の著者

古川教夫 近影

古川教夫

1972年4月23日生。千葉県出身。茨城大学理学部地球科学科卒。幼稚園の大きな積み木でジープを作って乗っていた車好き。幌ジムニーで野外調査、九州の噴火の火山灰を房総で探して卒論を書き大学卒業。
ネカフェ店長兼サーバー管理業を経て、WEB担当として編プロ入社。車関連部署に移籍し、RX-7やレガシィ、ハイエース・キャピングカーなどの車種別専門誌を約20年担当。家族の介護をきっかけに起業。福祉車輌取扱士の資格を取得。現在は自動車メディアで編集・執筆のほか、WEBサイトのアンカー業務を生業とする。
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