── それでは、前から具体的にお聞きします。バンパーはハスラーに準じ、素材色をベースにシルバーのガードを置きました。サイズアップしたことで、ボディ色を加えるといった案はありませんでしたか?
「当初はそれも試しました。ただ、黒、シルバー、ボディ色の組み合わせでは色が散漫になってしまい、下回りの塊(かたまり)感が出ない。そうなるとSUVの力強さも薄れてしまうんですね」
── ドアパネルを内側に絞り込むのはハスラーと同じ手法ですが、ここも意識して踏襲した点ですか?
「そうですね。軽のハスラーではフラットなパネルに何とか凹面を作りましたが、今回はショルダーラインに相当な張りを持たせて、より強い抑揚を設けています。実はキャビンの大きさが決まったとき、残りの幅をデザイン代(しろ)として貰えたんです。ウチでは結構珍しい例なんですけど(笑)」
── ハスラーと違い、今回はリアピラーを後ろに抜きました。コンセプトにある「力強さ」のためには通常のピラーの方がいいのでは?
「クロスビーは、ワゴン+SUVという基本コンセプトがまず先にあるので、リアの居住性をアピールしたかったんです。通常のピラーにするとかなり太くなってしまって、ハスラーらしさはあるものの、乗員に閉息感を与えてしまう。ただ、ガラス面の上下幅を狭くして一定の力強さは確保しているんです」