ハスラーの5人乗りが欲しいというニーズに応えたクロスビーは、まさに同車のお兄さん的な佇まいで登場しました。
しかし、単にハスラーの拡大版ではないというボディは、どんな狙いでデザインされたのでしょうか? チーフデザイナー氏に聞いてみました。
── 本日はよろしくお願いします。まずはじめに、ハスラーの小型車版として、開発当初はどのような作業から始めたのかを教えてください
「ご存知のように、スズキはこれまでも軽のワイド版を作ってきましたが、今回もそのときと同様に、まずボディを半分に切って拡幅させる試行をやりました。ところが、それではどうしても軽の印象が残ってしまい、ユーザーさんの理解は得られないのではないかと」
── それは、具体的にどういう部分が物足りなかったのでしょう?
「いくら幅を広くしても、サイドボディ自体が軽の薄いパネルでは、やっぱりそれって軽そのものだよね、と。今回は、珍しく役員からもこれは違うよね、という意見があったんです(笑)」
── では、小型車としてあらたにデザインするとして、何か特別なコンセプトはあったのですか?
「いえ。とくに新しい方向ということではなく、シンプルにハスラーの特徴の継承ですね。たとえば丸いランプ、台形のグリルといったアイコンはしっかり残しつつ、小型車にまとめたい」