具体的には、パワー半導体のサイズダウンと、冷却装置の改善がPCUの小型化につながっている要素になります。初代、2代目プリウスでは片面冷却構造だったのを、3代目では直接冷却構造へと進化させ、ついに4代目においてパワー半導体を挟むようにした「両面冷却構造」になったのです。
そしてパワー半導体は、初代・2代目がプレーナゲートだったのに対して、3代目からはトレンチゲートとするなど損失を低減すると同時に薄板化も進めています。なお、素子面積でいうと初代に対して4代目は半分以下のサイズとなっています。
こうして小型化したメリットはPCUの軽量化だけにとどまりません。PCUとモーターの距離が近づけることができるため、高圧ケーブルを短くできます。その違いは一目瞭然。初代では太いケーブルが何本も使われていましたが、4代目では手のひらサイズの細いケーブルとなっています。
そうした部分にまで配慮してPCUを設計することで、車体全体の軽量化にも寄与するというわけです。
(写真・文:山本晋也)
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