1982年スキャットDRAGレース、雨の第1戦&熱き第2戦、注目のエントリーマシンをご紹介! 後編【OPTION1982年6月号・8月号より】

吉田レーシングZ 12.980秒
ヤッタゼ! 街乗り仕様で12秒台!

オーソドックスなメカチューン+レーシングスリックで絶妙のスタートを切り、ベストタイムをたたき出したのがこの吉田レーシングZだ。

ボア×ストローク90×83mmの3166cc。74度のカムで、圧縮比は11。キャブはソレックスを装着する。シフトアップポイントは7500rpmで、推定出力は280ps。ミッションは240用で、ファイナルは4.1と低い。ショックは吉田オリジナルで、コイルはノーマルをカットしただけだ。タイヤはフロントがアドバンHF195/70HR14、リヤにDLレーシング300/620-13を履く。

ウインドウ&リヤハッチはアクリルで軽量化してあり、助手席などは当然、外してあったが、いわゆる純レース仕様ではない。ナンバー付きで、いつも街乗りに使っているマシンなのだ。それにしては、DRAGレースで13秒を切るこのタイムは、驚異的である。

SAKOレーシング13Bサイド・ツインターボRX-7 15.443秒
ハイチューンの熟成に期待!

関西では珍しいREチューンのSAKOレーシング。オリジナルのクロスポートや圧縮を下げられるローターの開発など、意気込みを感じさせるショップだ。日産純正のギャレット・エアリサーチのT03ターボをツインにしたホットバージョン。

ターボキットはインタークーラーはないものの、ウエイストゲート、リリーフバルブ、ブローオフバルブなどの重要補器類はちゃんと付いている。ブーストは0.7kg/cm2と、ロータリーにしてはかなりのハイブースト。それで8000rpmまでは十分いけるハズだった。エンジンは13Bのサイドポートチューンが施されており、ウェーバー48φと相まってかなり高水準にある。

ターボとのマッチングが良ければイイ線いくのだが、4.1のデフにノーマルギヤ比のミッションでは、ちとキツイ。他のボディモディファイや軽量化など、大幅にはやっておらず、ストリート仕様、リヤシートを外した程度だった。タイヤもレーシングスリックで臨んだ。ともあれ、REツインターボの熟成を見守りたい。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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