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エンジン内部にも手を加えてある。高チャージに耐えるため、ピストンは米アリアス製のターボ用を採用。ヘッドガスケットもシグマ製アルミ(2.8mm厚)。カムは輸出用の262度。排気量はノーマルで、HKS製ソアラ用空冷インタークーラーも変えていない。
走行フィーリングは、強烈なターボの効きこそあまり感じないが、大トルクでグイグイ加速していく。ファイナルギヤ比を3.50に上げ、ミシュランXWXの225/70VR15という、超大型タイヤ(ハイトは696mm)を装着しているにもかかわらず、だ。
パワー的には、おそらく350ps近いのではないか。タコメーターは5速5000rpmを楽に振り切り、5500、そして6000rpmに達した。バンク内で飛び出そうとするマシンを、ステアリングで押さえ込む。この感じは恐るべきスピードなのだ。400mの計測ラインを6000rpmのまま通過。完全にパワーとマシンの全抵抗がサチュレートしている。
記録を聞いて驚いた。やはり、270km/hの大台に乗ったのである。水温、油圧は異常なし。ただ、3周もすると油温がジリジリ上昇し始めたのが気になったくらいだ。
やはり、国産車最高パワーの5M-GEU型は、ベストチューンすれば驚異的な実力を発揮したのである。シングルカムのL型軍団にとって、まさに驚異的な“存在”だったのが“現実”になった。チューニングの可能性はまだ残されている。トラストの執念が、雨宮RX-7をブチ抜くか、興味シンシンだ。