最高速で国産初の300km/hオーバーをジワジワ狙うセリカXX一気乗り【1982年10月号より・前編】

久しぶりに谷田部・最高速テスト模様です。マシンは最強5M-Gエンジンが搭載されているトヨタ・セリカXX×3台と、FJ20スカイラインRS×1台。

この年の年末、谷田部・最高速決定戦を行うべく、予選ともいえるノミネート戦が毎月のように繰り広げられていました。その第2弾が、この記事。日本車300km/hオーバー、一番乗りの本命?ともわれていたトラスト、HKS、シグマオートモーティブのチューニングメーカーの大御所たちが持ち込んだXXと、市販パーツ開発用のフォルテクスのスカイラインRS。前編は、トラスト&HKSを紹介です。

そして、この3台のセリカXX対決こそが、後の日本車初の300km/hオーバー、一番乗りを決める前哨戦なのです。

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1982年最高速・日本一決定戦 ノミネート戦

DOHCターボが炸裂した!

11月決戦のノミネート第2戦は、ツインカム・ターボが集結した。最もポテンシャルの高い軍団だ。そして、第1戦のZに続き、セリカXXも270km/hの大台に乗った! ますます燃えてくるゾ!

 

セリカ2800XXツインターボ by トラスト

最高速=273.24km/h

最強5M-Gパワーの本領発揮、一気にL型軍団をブチ抜く!

トヨタファン待望の大記録が達成された。トラスト・チューンのセリカXX2800GTが、これまでの自己記録257.14km/hを破る273.245km/hをマークしたのだ。これは、最速車の雨宮RX-7・13Bターボの277.45km/hに肉迫する歴代2位の偉業である。同時に、チューンドエンジンとしては、主流のL型軍団を一挙に抜いてしまった。2.8Lツインカムというポテンシャルを、やっと発揮したのである。

大幅にパワーアップされたのは、いうまでもない。タービンは第1次の三菱製TC05ではなく、大型のKKK製K26を採用。これに、排気タービンサイズを数種類トライして、ベストマッチのサイズを装着している。三菱ツインより、高速域を重視した設定だ。このK26ツインによる燃料系の改善は、インジェクターを100%アップにした他、HKS水温センサーを利用して、オリジナルの燃料増量スイッチを装着。低中速域ではプラグがかぶり、使えないほどの増量を行っている。これは、走行中に5速でチャージ圧が0.5kg/cm2以上になると調整ノブを目いっぱい回す、というシステムだ。すると、プラグがかぶらず、チャージ圧は1.2kg/cm2に達するわけである。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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