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セリカ2800XXターボ by HKS
最高速=(計測できず)
惜しいエンジントラブル。が、パワーは強烈だ
ターボの老舗HKSは、満を持してセリカXXの最高速チャレンジカーを準備している。ボルトオンキットというより、チューンドターボの極めつけ版に近い。しかし、残念ながらテスト走行が万全でなく、谷田部では1周も走破することなくエンジントラブルで涙を飲んだ。DOHCターボ車では最も期待されている存在だけに、惜しい。
そのターボチューンには、HKSの全ノウハウが投入されているからだ。ターボユニットは最高速用にベストマッチする、エアリサーチ製T04Bの大容量タイプ。チャージ圧も1.2から1.5kg/cm2あたりまでかけられる設定である。燃料増量系統はマル秘というが、水温、スロットル開度、吸気温などから複雑なセンサーシステムがテストされているのである。
HKS製鍛造ピストンは、2mmオーバーの85mmφ。85mmストロークとの組み合わせで、総排気量は2759ccから2892ccにスケールアップされているのだ。燃料室形状は加工され、圧縮比は下げてあるが、おそらく7.0あたりだろうか。カムシャフトはノーマルで、クランクシャフト部の腰下は、軽量バランス加工してある。このHKS製5M-GEUターボは、ベンチテストされながらチューンされているので、かなりハイパワーを絞り出しているのはいうまでもない。
2速、3速の加速でも、ホイールスピンしそうなパワーなのだ。ファイナルは3.583だが、ボーグ&ベッグのクラッチや、強化コイルとコニ製ダンパーでサスペンションがかためられている点からも、その戦闘力の高さが判断できる。電気系は、ウルトラCDIとアクセルのコード、エキゾーストにもHKS製のスペシャル60φデュアルマフラーが装着されている。空冷インタークーラーはむろん、HKS製だ。
テスト時も加速はすばらしく、4000rpm以上でブースト計の針はピンと1.2kg/cm2を指す。が、5速にシフトアップし5000rpmほどでエンジンが異常な音を発生し、止まってしまった。おそらくメタルと思われるが、本領を確かめられない前のトラブルだけに、悔やまれてならない。実力的には、270km/hオーバーを狙えるマシンなのだ。次回のテストに期待したい。
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ウルトラCDIが登場したり、トラストがHKSパーツを使用するなど、時代が分かるトコロを見るのも、バックナンバーを楽しむひとつでもありますね。
【後編】では、OPTと手を組み開発されているシグマXXと、市販パーツ開発用のフォルティクスRSをご紹介します。お楽しみに!
[OPTION 1982年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)