【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】 第4回・SUVの本質的な個性を表現。トヨタ・RAV4(初代)

一方で、比較的端正なフロントフェイスと、SUVらしい力強さを持つリアパネルにより、ボディ全体が必要以上にオモチャっぽくなることを防いでいます。

これは、あえてポップな色を使わず、濃色のメタリックをメインにしたボディカラーも同様で、軽快さ、カジュアルさと、四駆の重厚さを絶妙にミックス。

約1年後には、実用的な5ドアのロング版を追加。こちらのボディにも同じテーマが反映されていますが、この3ドアにこそRAV4本来のエッセンスが注入されているように思えます。

デザイナー陣は、これまでにないSUVを目指しつつも、旧来の四駆らしさとの間で揺れがあったといいます。しかし、女性を中心とした若手社員の支持を得て方向性を確信しました。

いまのコンパクトSUVのブームでは、個性の競い合いが少々エスカレート状態。しかし、25年前には、より本質的な個性を表現したクルマがすでに登場していたのです。

●主要諸元 トヨタ RAV4 J(4AT)
型式 E-SXA10G
全長3695mm×全幅1695mm×全高1655mm
車両重量 1180kg
ホイールベース 2200mm
エンジン 1998cc 4気筒DOHC16バルブ
出力 135ps/6000rpm 18.5kg-m/4400rpm

(すぎもと たかよし)

この記事の著者

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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