一方で、比較的端正なフロントフェイスと、SUVらしい力強さを持つリアパネルにより、ボディ全体が必要以上にオモチャっぽくなることを防いでいます。
これは、あえてポップな色を使わず、濃色のメタリックをメインにしたボディカラーも同様で、軽快さ、カジュアルさと、四駆の重厚さを絶妙にミックス。
約1年後には、実用的な5ドアのロング版を追加。こちらのボディにも同じテーマが反映されていますが、この3ドアにこそRAV4本来のエッセンスが注入されているように思えます。
デザイナー陣は、これまでにないSUVを目指しつつも、旧来の四駆らしさとの間で揺れがあったといいます。しかし、女性を中心とした若手社員の支持を得て方向性を確信しました。
いまのコンパクトSUVのブームでは、個性の競い合いが少々エスカレート状態。しかし、25年前には、より本質的な個性を表現したクルマがすでに登場していたのです。
●主要諸元 トヨタ RAV4 J(4AT)
型式 E-SXA10G
全長3695mm×全幅1695mm×全高1655mm
車両重量 1180kg
ホイールベース 2200mm
エンジン 1998cc 4気筒DOHC16バルブ
出力 135ps/6000rpm 18.5kg-m/4400rpm
(すぎもと たかよし)