1989年に、10万km連続走行での世界最速記録を作った初代レガシィといっしょに写っているのが、SDAのメンバーや関係者。なんと、そのレガシィでの記録更新の際も、プロドライバーに頼むことなく、すべて社員ドライバーで賄ったといいます。
当時、レガシィで世界記録を作り、現在はSDAプログラムを支えるチーフインストラクターの秋山 徹さんにお話をうかがいました。
もともとレガシィでの記録チャレンジの際は、情報漏えい対策として社員から選抜したドライバーで挑むことになったという経緯もあるそうですが、そのときも国内のテストコースなどで腕を磨き、本番に備えたといいます。
また、スバルにはテストドライバーという職種が存在しないということも驚く話でした。
もちろんテストをしていないという意味ではなく、テストだけを専門にしている人材を置かず、エンジニア自らがテストのためクルマを走らせることで、問題点を見つけ、その対策を練るというのがスバルのクルマ作りの特徴。
細かく分業しないことが、一貫性を持ったクルマにつながっているというのです。
新たに始まったSDAは、そうしたエンジニアのテストドライバーとしての感性をさらに磨くためのプログラム。実験部門だけでなく、それぞれの開発部署から推薦された合計20名のメンバーが、自社のテストコースなどを走り、そしてレースにも挑戦し、体が感じたことを基に議論することで、しっかりとテストドライブできるスキルを身に付けるべく、邁進しているのです。
なお、SDAの活動は月に一回(1泊2日程度)といいますから、しっかりと日常業務をこなした上でのスキルアップというわけです。